ドル/円
午後3時現在 76.63/67 1.4410/14 110.44/50
正午現在 76.56/61 1.4396/97 110.25/28
午前9時現在 76.62/64 1.4427/31 110.53/57
NY17時現在 76.60/64 1.4425/27 110.48/53
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[東京 18日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時とほ
ぼ同じ76円後半で推移している。財務省の中尾財務官と日銀の中曽理事の会談を受けて
介入警戒感から小幅上昇したものの、終日76円後半の狭いレンジでもみあった。アジア
株に下げが目立ったが、ユーロ/ドルは1.44ドル付近では底堅く推移した。午後2時
半過ぎに一時スイスフランが売り込まれ、市場ではスイス中銀(SNB)による流動性供
給観測が浮上した。
ドル/円は、76.53─76.71円の20銭に満たない狭いレンジでもみあった。
過去最安値(76.25円)が目前にきており、介入警戒感から下値を売り込む動きは出
なかった。実需の動きが鈍いなかで、アジア中銀とみられる円買いが、ドル/円を緩やか
に押し下げているという。
8月7日─8月13日の対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)の
うち、海外勢による短期債の買い越し額は2兆9752億円と過去最高となっており、ア
ジア中銀の円買いに伴うものとみられている。
財務省の中尾財務官がきょう日銀で中曽理事と会談したことが明らかになった。これを
受けて、市場では為替介入が話題になった。円高ピッチが緩やかなことで介入に対する緊
張感が高まりにくく、会談を受けた値動きへの影響は限られた。
また、参加者がドルのダウンサイドへの手当てを進めていることも、円高に対する一定
の余裕につながっている。「オプションなどでドル下落に備えているため、76.25円
を割り込んでもすぐに下に走ることはなさそうだ。ただ、75円半ばから75円前半まで
円高が進むと、下げピッチが速まる可能性がある」(大手銀行)との声が上がっている。
ユーロ/ドルは海外市場でレンジ上限とみられている1.45ドルに乗せたあと、アジ
ア市場ではじりじりと下落した。グローベックス市場の米国株先物が軟調だったほか、日
経平均<.N225>や上海総合指数<.SSEC>などアジア株にも下げが目立ち、じわりとリスク回
避の動きになった。しかし、1.44ドル前後では下げ渋り、底堅い動きになった。
午後2時半過ぎにスイスフランが売られ、ユーロ/スイスフランは1.1515スイス
フランまで、ドル/スイスフランは0.7991スイスフランまで急騰した。市場では、
スイス中銀が通貨高是正のため流動性供給を行ったとみられている。前日にスイス中銀が
発表した当座預金残高の引き上げは通貨高是正に不十分と失望されたが、追加の対応への
期待はくすぶっていた。
<バイデン米副大統領訪日中は介入困難との見方>
中尾財務官と中曽日銀理事の会談を受けて、市場では、介入のタイミングが話題になっ
た。きょうは木曜にあたるが、木曜・金曜は自動車メーカーなどの休日が多いとされる。
また、22日から24日はバイデン・米副大統領の訪日が予定されており、菅首相とも会
談する見通し。
バイデン副大統領はアジア歴訪にあたり、日本の前に中国を訪れている。ブレイナード
米財務次官(国際問題担当)は15日、米国は(介入でコントロールされている)中国人
民元の上昇ペースに満足しておらず、バイデン副大統領が中国訪問の際、その点を強調す
ることを明らかにしている。このため「日本の介入にも不快感を示す可能性があり、訪日
中には介入しにくい。ただ、ドル/円が急落した場合は、話は別だ」(クレディ・スイス
証券チーフ通貨ストラテジスト、深谷幸司氏)との声が出ている。
むしろ「自動車メーカーが休業であれば、リーブオーダーのドル売り規模がわかりやす
く、介入はしやすい。木曜・金曜は要注意だ」(外資系銀行ディレクター)との声が聞か
れる。
また、介入タイミングの本命は26日のジャクソンホールとの見方もある。ここでバー
ナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が一段の金融緩和を示唆した場合、ドル売りが強
まる可能性があるためだ。このすぐあとには民主党の代表選や国会での首相指名が行われ
る可能性がある。「中尾財務官と中曽日銀理事は、財務相の去就が不安定ななかでドル売
りが強まった場合に備えて、きょうの会談を行ったのではないか」(深谷氏)との声が出
ている。
<首相交替で介入しやすい環境整うとの声>
首相が交替して内閣が安定すれば介入しやすい環境が整う声も出ている。早ければ8月
末から9月初めにも首相交替の可能性が出てきているが、9月は半期末の決算月にあたり
輸出企業の円転ニーズが高まる。
輸出企業の多くはドル/円の想定レートを80円以上としており「76円台か、せめて
75円台で介入しなければ80円まで持っていけない。輸出企業が採算の取れるレートで
ドルを売れず、介入の成果は短期筋を利食わせるだけに終わってしまう」(大手銀行)と
いう。
8月4日の大規模介入では、ドルが80円台まで上昇しており、市場では輸出企業がド
ルを売って一息つけたことを評価する声が出ている。「介入で一時的にでもドルを80円
まで戻して輸出企業にドルを売らせることは、円高に苦しむ企業への対策としての意味が
あり、また、新政権のアピールにもなる。(介入の経験のある)野田財務相が首相になる
なら、介入に踏み切る可能性はより高い」(大手銀行)との見方が出ている。
<7月米コアCPI上昇率のロイター予測は前年比1.7%>
ジャクソンホールの経済シンポジウムでのバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長
の講演をにらんで、米金融政策の次の一手が市場の関心を集めている。「米追加緩和期待
が広がっているが、きょう発表の7月米CPI上昇率が高ければ緩和はしにくくなるので
はないか」(大手銀行)との声が出ている。ロイター予測によると、7月のCPI総合指
数は前年比3.3%上昇、コア指数は同1.7%上昇となる見通し。エネルギー価格の上
昇は一服しているが、コア指数はじりじり上がっている。
バークレイズ銀行チーフFXストラテジスト、山本雅文氏は「ジャクソンホールでの講
演では追加緩和が示されず、市場は失望するだろう。米金利は上がるだろうが、追加緩和
期待に支えられた株価が下落する可能性があり、ドル/円への影響は微妙だ」としている。
(ロイターニュース 松平陽子)
※( ロイターメッセージング:yoko.matsudaira.reuters.com@reuters.net
E-mail:yoko.matsudaira@thomsonreuters.com; 03-6441-1795)
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