ドル/円
正午現在 78.92/94 1.4302/06 112.87/91
午前9時現在 77.13/18 1.4348/52 110.67/71
NY17時現在 77.06/08 1.4331/34 110.33/40
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[東京 4日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時に比べ2円
弱高い78円後半。政府・日銀がドル買い/円売り介入に踏み切り急伸した。介入は断続
的に実施された。規模は現時点で不明だが、市場からは1兆円以上と推測する声が出てい
た。
<介入規模は兆円単位か>
ドル/円は仲値公示後、77.10円付近から78.20円に急騰。その後も上値を伸
ばし、正午までに79円手前まで上昇した。介入直後に野田佳彦財務相が会見し、日本政
府の単独介入であることを明らかにした。介入を続けるかどうかはコメントを避けたもの
の、市場筋によると、介入は断続的に実施された。
介入規模は不明だが、「1円以上上昇したので、数千億円単位ではなく、兆円単位では
ないか」(外為どっとコム総合研究所の植野大作氏)との声が聞かれた。また、「(介入
は)午後も続くだろう。2兆円規模だった昨年9月の介入とやり方が似ている」(国内銀
行)との指摘もあった。昨年9月の介入では1日で3円弱上昇した。
<個人は戻り売り、輸出は待ち>
相場の上昇局面では、ドル/円の買い持ちが積み上がっていた個人投資家の戻り売りが
目立ったものの、輸出企業の売りはあまり観測されなかったという。「輸出はまだ待って
いるようだ。証拠金の注文が多く、インターバンクのほうが忙しそうだ」(外為アナリス
ト)との声が出ていた。輸出企業の多くは79円台以上にドル売り/円買い注文を置いて
いる。
介入に対し、市場関係者の評価は分かれている。「3日のスイス国立銀行による利下げ
発表から世界的な協調緩和が始まったとみており、株価反転のきっかけとなる可能性が高
い」(UBS証券のチーフストラテジスト、平川昇二氏)、「水準が低いまま5日の米雇
用統計を迎えたら、過去最安値の76.25円を割り込んで、チャートを参考にできない
世界に突入するリスクがあった」(外為どっとコム総研の植野氏)などの好意的な声が聞
かれる一方、「為替介入と金融緩和を同時に行うという演出は効果的だが、マーケットは
米国の経済減速と金利低下を背景にしたドル安/円高を押しとどめるのは難しいとみてい
る」(マネックス証券チーフ・エコノミストの村上尚己氏)との指摘もあった。
日銀は4、5日に予定していた金融政策決定会合を4日中に終了することを決めた。関
係筋によると、追加の金融緩和を決定する。
(ロイターニュース 久保 信博記者)