[ニューヨーク 3日 ロイター] 2009年の米国株式市場は6年ぶりの良好なパフォーマンスとなったものの、4日から始まる2010年最初の週は、12月の雇用統計発表を控え、景気回復をめぐる警戒ムードが続く見通し。
ロイター調査によると、8日発表される12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が2万人減少すると予想されている。11月は1万1000人減だった。
また、4日発表の12月米供給管理協会(ISM)製造業景気指数は依然として小幅な拡大にとどまる見込みで、5日発表の11月住宅販売保留指数は、住宅市場の回復が不安定であることを浮き彫りにするとみられている。
2009年の市場は、主に超低金利と米連邦準備理事会(FRB)の証券買い取りプログラムを背景に上昇してきた。12月の雇用統計が11月に続き、市場予想を大幅に上回った場合、早期利上げ観測が高まる可能性がある。
ブリンカー・キャピタルの機関投資部門マネジングディレクター、トーマス・ウィルソン氏は、恐らく2010年下期に行われる可能性のある財政・金融刺激策の巻き戻しは「細心の注意を要する慎重なプロセス」になり、市場を動揺させ得ると指摘した。
予想より早く利上げが実施される可能性があるとの見方は最近、ドルを支援しており、早期利上げ観測がさらに高まれば、ドルの一段高につながる可能性がある。米株市場は昨年の大半を通じてドルと逆の方向に動いており、今年ドルがさらに上昇すれば市場を圧迫する恐れがある。
デルタ・グローバル・アドバイザーズのチーフ・テクニカルストラテジスト、ブルース・ザロ氏は「全般的に強いドルに対する市場の反応は、2010年上期と恐らく通年の投資動向に大きな影響を与えるだろう」と語った。
8日発表の12月雇用統計では失業率は10.1%と、予想外に低下した前月の10%から小幅上昇するとみられている。
また11月の住宅販売保留指数は、3年半ぶりの高水準を記録した10月から2.1%低下すると予想されている。
12月のISM製造業景気指数は54と、11月の53.6から上昇する見通し。
6日発表の12月ISM非製造業景気指数は11月の48.7から50.0に上昇する見込み。
2009年の年間上昇率はダウ工業株30種<.DJI>が18.8%、S&P総合500種<.SPX>が23.5%、ナスダック総合<.IXIC>は43.9%。
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