[東京 17日 ロイター] - 今週の東京株式市場は、下値固めの展開となりそうだ。人民元相場が落ち着きつつあり、中国の通貨政策に対する警戒感は後退する見通しだが、米金融政策や中国景気については引き続き神経質にならざるを得ない。上値を買い上がる材料も乏しい中、内外情勢をにらみつつ相場の落ち着きどころを探る動きになると予想される。
日経平均の予想レンジは2万0200円─2万0800円。
中国人民銀行は13日の会見で基準値の大幅な引き下げが終了したと表明した。実際に14日は基準値引き下げが見送られ、中国の通貨政策に対する過度な警戒感が後退。来週は徐々に「人民元離れ」の相場展開が期待できる。8月限オプションSQ(特別清算指数)を無難に通過したこともあり、先物主導での乱高下は一服しそうだ。 日経平均は5月中旬から約3カ月にわたり、2万円―2万1000円の基本レンジで推移している。ギリシャ国民投票で7月上旬に一時下振れた以外は、売るにも買うにも決定的な材料がない状況が続いている。市場では「米金融政策や中国景気に目配りしつつ、当面は神経質な値動きになりそう」(大和証券チーフグローバルストラテジストの壁谷洋和氏)とみられている。4―6月期決算が終了し、好業績は織り込み済みとなった。目先はレンジを抜けるような材料が出にくい。
日本株は為替に対する感応度も鈍っている。1ドル125円台まで円安に振れた8月11―12日にかけても日経平均は下落した。「過度なドル高は米景気の重しになり、日本株にとっても好材料とは言えない」(国内証券)との見方が広がっている。米連邦準備理事会(FRB)の9月利上げ観測が強まり、円が弱含んでも米国株が下落すれば日本株の上値も重くなりそうだ。米国株がさえないのは「利上げ観測だけでなく、足元で一段と進む原油安も大きい。米国株が動かない中で日本株だけが上値を追う展開は想定しにくい」(みずほ証券シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏)との声もある。 もっとも、下がれば日銀ETF買いや公的年金の買いが入る余地が大きくなる。需給は良好であり、日本企業の相対的な好業績も支えになる。売り込みにくい地合いが予想され、下値も限定的となりそうだ。
主なスケジュールは、17日に4─6月期実質国内総生産(GDP)1次速報、19日に7月貿易収支が発表される。米国では18日に7月住宅着工件数、20日に7月中古住宅販売件数が発表される。
(株式マーケットチーム)