■ドル上昇、米9月利上げ観測台頭で一時104円32銭
先週のドル・円は上昇。
2日の欧米市場で7月末以来となる104円32銭まで買われる場面があった。
市場関係者が注目していた8月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比+15.1万人にとどまり、市場予想の+18万人程度に届かなかった。
また、失業率は4.9%で7月と変わらず、平均時給は前月比+0.1%で市場予想の+0.2%を下回ったことから、統計発表直後はドル売りが優勢となった。
しかしながら、9月利上げの可能性は消えていないとの思惑が広がり、ドルはまもなく104円台前半まで買われた。
8月末の時点でイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長とフィッシャー副議長は早期利上げに前向きな姿勢を示していたが、2日にはラッカー米リッチモンド連銀総裁が、「利上げを先送りすればその分リスクも高まる」、「8月雇用統計は、まずまず強い内容」などと述べており、9月利上げ観測は大きく後退せず、リスク選好的なドル買いが広がった。
また、米ジャナス・キャピタル・グループのビル・グロース氏は一部メディアのインタビューで「8月の米雇用統計で9月利上げがほぼ確実になった」との見方を示したこともドル買い材料となったようだ。
ドル・円は103円92銭でこの週の取引を終えた。
取引レンジ:101円76銭-104円32銭。
■ドルは上値の重い展開か、9月利上げ期待低下の可能性も
今週のドル・円は上値の重い展開か。
8月25-27日に米ワイオミング州ジャクソンホールで開催された経済シンポジウムでは、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長やフィッシャー同副議長ら当局者から早期利上げにタカ派的な見解が聞かれた。
ただ、市場関係者の間では、FRBによる引き締めは「9月はあまり現実的ではない」(外為ディラー)といった声が聞かれており、現時点では12月実施がメーンシナリオとみられる。
このため、8月雇用統計が予想に沿った内容だった場合、5日(米国はレーバーデーの祝日のため、休場)以降の取引では、ドル・円は上値の重い展開となるだろう。
一方、日銀の金融政策への思惑も広がりやすい。
総括的な検証を踏まえ9月の追加緩和策としてマイナス金利の深掘りを模索しているとの見方が広がるなか、5日に予定されている日本銀行黒田総裁による講演(共同通信主催)での発言は注目材料となりそうだ。
マイナス金利拡大の方向性が示された場合、金融機関の業績への影響から株安が見込まれるため円高に振れやすい。
【米・8月労働市場情勢指数(LMCI)】(6日発表予定)
7月の労働市場情勢指数(LMCI)は+1.0と今年初めて上昇を示した。
また、6月分も-1.9から-0.1に上方修正された。
2日発表の8月米雇用統計と合わせ、労働市場の需給の引き締まりが示されれば連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ方針を後押しするだろう。
【日・4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値】(8日発表予定)
4-6月期四半期実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で+0.2%が見込まれている。
下方修正された場合は、9月20-21日開催の日銀金融政策決定会合で追加金融緩和への期待が高まる見通しだが、市場がマイナス金利拡大を意識した場合、円高材料になる可能性がある。
予想レンジ:102円50銭-105円50銭
先週のドル・円は上昇。
2日の欧米市場で7月末以来となる104円32銭まで買われる場面があった。
市場関係者が注目していた8月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比+15.1万人にとどまり、市場予想の+18万人程度に届かなかった。
また、失業率は4.9%で7月と変わらず、平均時給は前月比+0.1%で市場予想の+0.2%を下回ったことから、統計発表直後はドル売りが優勢となった。
しかしながら、9月利上げの可能性は消えていないとの思惑が広がり、ドルはまもなく104円台前半まで買われた。
8月末の時点でイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長とフィッシャー副議長は早期利上げに前向きな姿勢を示していたが、2日にはラッカー米リッチモンド連銀総裁が、「利上げを先送りすればその分リスクも高まる」、「8月雇用統計は、まずまず強い内容」などと述べており、9月利上げ観測は大きく後退せず、リスク選好的なドル買いが広がった。
また、米ジャナス・キャピタル・グループのビル・グロース氏は一部メディアのインタビューで「8月の米雇用統計で9月利上げがほぼ確実になった」との見方を示したこともドル買い材料となったようだ。
ドル・円は103円92銭でこの週の取引を終えた。
取引レンジ:101円76銭-104円32銭。
■ドルは上値の重い展開か、9月利上げ期待低下の可能性も
今週のドル・円は上値の重い展開か。
8月25-27日に米ワイオミング州ジャクソンホールで開催された経済シンポジウムでは、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長やフィッシャー同副議長ら当局者から早期利上げにタカ派的な見解が聞かれた。
ただ、市場関係者の間では、FRBによる引き締めは「9月はあまり現実的ではない」(外為ディラー)といった声が聞かれており、現時点では12月実施がメーンシナリオとみられる。
このため、8月雇用統計が予想に沿った内容だった場合、5日(米国はレーバーデーの祝日のため、休場)以降の取引では、ドル・円は上値の重い展開となるだろう。
一方、日銀の金融政策への思惑も広がりやすい。
総括的な検証を踏まえ9月の追加緩和策としてマイナス金利の深掘りを模索しているとの見方が広がるなか、5日に予定されている日本銀行黒田総裁による講演(共同通信主催)での発言は注目材料となりそうだ。
マイナス金利拡大の方向性が示された場合、金融機関の業績への影響から株安が見込まれるため円高に振れやすい。
【米・8月労働市場情勢指数(LMCI)】(6日発表予定)
7月の労働市場情勢指数(LMCI)は+1.0と今年初めて上昇を示した。
また、6月分も-1.9から-0.1に上方修正された。
2日発表の8月米雇用統計と合わせ、労働市場の需給の引き締まりが示されれば連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ方針を後押しするだろう。
【日・4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値】(8日発表予定)
4-6月期四半期実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で+0.2%が見込まれている。
下方修正された場合は、9月20-21日開催の日銀金融政策決定会合で追加金融緩和への期待が高まる見通しだが、市場がマイナス金利拡大を意識した場合、円高材料になる可能性がある。
予想レンジ:102円50銭-105円50銭