日本産の仮想通貨であるモナーコイン(モナコイン、Monacoin)の価格が高騰している。
6月16日時点で1モナーコイン=40円前後で推移していたが、6月21日には一時93.9円の高値をつけ、一週間に最大で232.5%超の高騰を見せた(フィスコ (T:3807)傘下のフィスコ仮想通貨取引所チャート)。
本稿作成時点では75円前後で取引されている。
高騰の背景には、モナーコインの供給量が一気に減少する「半減期」というタイミングまで、残り1ヶ月を切っている点がある。
モナーコインやビットコインなどは、発行枚数の上限があらかじめ設定されており、かつその供給量(新規発行数)が特定のタイミングで減少するようにプログラムされている。
ビットコインは約4年に一度、モナーコインは約3年に一度で、これを半減期というが、次のモナーコインの半減期は7月上旬の予定である。
需要が変わらずに新規供給量が減れば価格上昇が期待できるため、昨年7月9日のビットコイン半減期の場合には5月後半から価格上昇が起こり、5月27日には50,000円前後だったビットコインは6月20日には81,000円の高値をつけ、半減期後には65,000円前後で取引されるようになった。
モナーコインの場合も、半減期の期待買いが起こっている状態と見られる。
現在仮想通貨市場は総じて急成長を遂げている中でモナーコインも例外ではなく、2017年4月1日には6円前後だったモナーコインは6月中旬には40円前後で取引されていた。
これに、半減期という材料が合わさり6月21日の価格高騰となったと考えられる。
半減期以外にも、モナーコインには将来性が期待できる点が他にもいくつかある。
まず、モナーコインは「2ちゃんねる」から生まれた仮想通貨で特定のコミュニティーと深いつながりを持つため、漫画購入決済への利用など独自のユースケースが生まれつつある。
Monappyというモナーコイン向けオンラインウォレット・サービスは送金手数料無料でモナ—コインのやりとりができる他、メッセージのやりとりもでき、またポータルサイトとして情報収集も可能な便利なサービスだ。
また、パソコンショップ アークはモナ—コイン決済を6月9日から受け付けると発表しており利用できるシーンは拡大の兆候を見せている。
次に、モナーコインは仮想通貨で今大きな注目を集める技術セグウィット(Segwit、Segregated witness)を他の仮想通貨に先んじて今年4月に採用している。
これは、取引処理能力(スケーラビリティと呼ばれる)を増やすための施策で、現在ビットコインもこのセグウィットの採用に向けて動いている。
セグウィットを皮切りに、今後モナーコインが仮想通貨界隈で注目される技術を次々に導入していった場合は国内だけでなく海外からもより資金が流入する可能性もある。
ちなみに、モナーコインの売買代金(流動性)をベースとしてそのフェアバリュー(時価総額から見る売買代金の水準)を算出するとフェアバリューは約1.46ドル(約160円)となり、現在の価格は割安水準との見方もある。