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世界の映画産業、新型ウイルスで痛手 主要市場・中国が身動き不能

発行済 2020-03-11 13:19
更新済 2020-03-11 13:25
世界の映画産業、新型ウイルスで痛手 主要市場・中国が身動き不能

[10日 ロイター] - 夏のヒット作公開に向けて準備を進めている映画業界に、新型ウイルスの悪影響が出ている。世界第2位の映画市場である中国では、多くの映画館が無期限で臨時休業のままだ。

新型ウイルスの世界的な感染拡大は、まるで映画の世界のことのようだ。だが、興行面で深刻な危機にあるのは現実の話だ。

中国、韓国、日本、イタリアで多くの映画館が臨時休業に。娯楽施設も営業が制限されているため、ヒット作の興行収入が予想よりも少なくなる恐れが出ている。

ディズニー/ピクサーの最新作「2分の1の魔法」(日本近日公開)は、前週末に米国公開。4000万ドル(約41億8900万円)を稼いだ。海外では2800万ドルだったが、日本を含む多くの国では公開延期に。興収への影響は不明だ。

中国では、予防措置として多くの映画館が臨時休業のままだ。同国の映画業界は、特に大きな打撃を受けている。中国の興行収入は年初からの8週間で80%減少した。

智易東方証券の藺常念・最高経営責任者(CEO)は「すべての映画館が閉まっているので、航空会社と同様、大打撃だ」と述べた。

今年ディズニーが期待するのはアニメ映画「ムーラン」(日本公開5月22日)の実写版。中国からの収益が当面見込めない中、3月9日、ハリウッドでプレミアを強行。「ムーラン」は古代中国が舞台であり、中国で公開できないのは痛手だ。

「007」シリーズの最新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」の公開は、4月から延期され11月になった。日本公開は未定。

ただ、調査会社コムスコアによると、前週末の北米興収は、前の週に比べ1.2%増の1億ドルだった。

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