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五輪=陸上界、誰がボルトの穴を埋めるのか

発行済 2021-07-28 13:57
更新済 2021-07-28 14:00
© Reuters.  陸上界では才能豊かなアスリートたちが次々と素晴らしいパフォーマンスを披露している一方、10年間にわたって陸上を象徴する存在だったウサイン・ボルト氏(写真)が2017年に

[東京 27日 ロイター] - 陸上界では才能豊かなアスリートたちが次々と素晴らしいパフォーマンスを披露している一方、10年間にわたって陸上を象徴する存在だったウサイン・ボルト氏(ジャマイカ)が2017年に引退したことで生まれた穴は埋まっていない。

ボルト氏はその圧倒的なスピード、ビッグトーナメントでの活躍ぶり、そして陽気な性格でスター性の高い存在だったため、陸上競技を五輪で最も注目度の高いスポーツにしていた。

ボルト氏が3連覇を成し遂げた100メートル、200メートルは過去3大会の五輪において最重要種目となっていた。それだけに、ボルト氏引退後の陸上界がテレビ視聴率や、スポンサーへの訴求力で代役を見つけるのは非常に厳しい、あるいは不可能な挑戦となっていた。

世界陸連のセバスチャン・コー会長は27日、記者団に「ネクストの選手はたくさんいると思うが、すぐにボルトの後継者になる選手はいないだろう」とコメント。「モハメド・アリが引退した時、多くの素晴らしいボクサーが現れたが、彼らはモハメド・アリではないし、ウサイン・ボルトではないし、なる必要もない」と続けた。

全盛期のボルト氏はおそらく世界で最も知名度の高いスポーツ選手であり、最も市場価値の高い選手の1人でもあった。2020年の年間最優秀陸上選手にはスウェーデンの棒高跳び選手アルマント・デュプランティス、ベネズエラの三段跳び選手ユリマル・ロハスが選出されたが、陸上競技では短距離走者が脚光を浴びる傾向が強いため、その名は一般の人にはあまり浸透していない。

女子陸上短距離のシャカリ・リチャードソンが台頭した時は、世界陸連や国際オリンピック委員会(IOC)なども歓喜の声を上げたはずだ。華やかで自信に満ちあふれ、ソーシャルメディアでの発言などでも注目された同選手は東京五輪で脚光を浴びると思われた。だが、マリフアナ使用による資格停止処分でその可能性は閉ざされた。

ただ、それでもコー会長はボルト氏に続くスター候補について「デュプランティスにはロックスターの資質があり、カルステン・ワーホルム、ライ・ベンジャミン(ともに400メートル障害)はパフォーマンスを見ればわかる」と語り、期待を寄せている。

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