[ヨハネスブルク 20日 ロイター] - スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(18)は20日、世界の子供たちは、今年11月に英グラスゴーで行われる国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)でこれ以上空約束が繰り出されるのを許容できないと表明した。
グレタさんが1人で始めた金曜日に学校を休んで環境対策を求める活動「フライデー・フォー・フューチャー(未来のための金曜日)」は世界的な運動に拡大し、20日に3周年を迎えた。
これに合わせ、国連児童基金(ユニセフ)は20日、世界の子供22億人のほぼ全員が、壊滅的な洪水から大気汚染に至る気候または環境上のリスクにさらされている実態を初めて指数化した。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は9日に公表した報告書で、地球温暖化が手に負えなくなる状況に危険なほど近づいており、命にかかわる熱波やハリケーンなど極端な気象現象がさらに深刻化する公算が大きいと指摘した。
グレタさんは、ユニセフの指数は子供たちが最悪の影響を受けることを確認するものだとし、世界の指導者はCOP26で話し合うだけでなく行動しなければならないと訴えた。
指数発表に先立ち、グレタさんは記者団に対し、各国の指導者が実際に行動を起こすとは思っていないが、「私が間違っていたと証明してくれたら、大変嬉しい」と語った。
ユニセフのヘンリエッタ・フォア事務局長は、世界の若者たちは模範となって気候変動への取り組みを主導していると指摘。ユニセフの調査では、21カ国で10人中9人が気候変動対策で自分に責任があると感じていることが分かったという。
事務局長は、子供たちは大人と比べ、極端な気象現象への対処能力が劣る上、有毒化学物質や気温変化、病気に対してより敏感なため、より大きなリスクを負っていると述べた。
ユニセフの指数では、温暖化ガス排出量の少ないアフリカ諸国を中心とする33カ国の子供10億人前後が極端な気候と、貧困など従来からの問題の「死の組み合わせ」に直面し、特に影響を受けやすい状態にあることが示された。