[ニューヨーク 3日 ロイター] - 現在開催している四大大会の最終戦、全米オープン(OP)では、主要大会としては初めて全コートでエレクトロニック・ラインコールが導入されている。
同ラインコールは「ホークアイ・ライブ」と呼ばれ、ボールの着地地点を計測するシステムと連動して人間のジャッジの代わりに自動で設定済みのコールが再生されるもの。観戦していたあるファンは「(機械音声だとは)気がつかなかった」と話した。
全米OPでは、新型コロナウイルス禍で実施された昨年の大会で、コート上の人員を減らすために一部のコートで「ホークアイ・ライブ」を導入。それ以前は、選手からのチャレンジがあったときに限り、同システムを使用していた。
しかし、今年からはエレクトロニック・ラインコールが導入されたことで選手によるチャレンジは不要になった。またコート上からは線審が消え、主審のみが残った。
全米OPの関係者は「エレクトロニック・ラインコールは驚異的な正確性をもたらしている」と新システムを評価。その一方で、ファンからは選手が判定に異議を申し立てられない点について「人間らしさが失われた」と、残念に思う声も上がっている。