[アブダビ 13日 ロイター] - イスラエルのベネット首相は13日、訪問先のアラブ首長国連邦(UAE)の事実上の指導者であるアブダビ首長国のムハンマド皇太子と会談した。両国指導者による公式会談は初めて。
両国はトランプ前米大統領の仲介で昨年に国交を正常化した。
会談に先立ち、イスラエルのハイエク駐UAE大使は、両国がともに関心を寄せるイランが必ず議題に上ると述べた。だが、ベネット首相はUAE訪問にあたり、二国間の商業や民間分野の協力促進を目指すと表明し、公にはイランに言及していない。
イスラエル首相府は、首相と皇太子が微笑みながら握手する写真を公開し、「歴史的な会談」と伝えた。
UAEの首長国通信(WAM)によると、皇太子は「中東の安定」への期待を表明し、ベネット首相の訪問が両国や地域の人々に恩恵をもたらす協力関係を前進させると述べた。
イスラエル紙のイスラエル・ハヨムは匿名当局者の話として、ベネット首相はムハンマド皇太子との会談でイランが供給する民兵やドローンに関する情報を共有する予定だったと伝えた。
ベネット氏は、2022年第1・四半期までのUAEとの自由貿易協定締結を目指すよう政府に指示したと明らかにした。
首相の帰国前、首相府はイスラエルがムハンマド皇太子を同国に招待し、皇太子が招待を受け入れたと発表した。UAE当局者はまだこれを確認していない。
イラン外務省は、イスラエル首相のUAE訪問について、地域の安全保障に悪影響を及ぼし、UAEとアラブ諸国の人々の利益に反すると批判した。
2014年からイスラエルとの和平交渉が中断しているパレスチナはイスラエルとUAEとの国交正常化を非難している。