[ドネツク(ウクライナ) 23日 ロイター] - ウクライナ東部の親ロシア派支配地域「ドネツク人民共和国」の指導者を名乗るデニス・プシリン氏は23日、ウクライナ政府軍は同地域が権利を主張する領域から撤退し、武器を引き揚げるべきとの考えを示した。タス通信が伝えた。
同氏はそうしたシナリオが最善と述べたという。
ロシアは今週、「ドネツク人民共和国」を含むウクライナ東部の親ロ派2地域の独立を承認したが、親ロ派は現在の支配地域よりはるかに広い範囲のウクライナ領土について権利を主張している。
プシリン氏はこれより先、ウクライナとの境界を巡り平和的な解決を望んでいるが、「偉大なるロシア」に支援を求める権利を留保していると述べた。
記者会見で、まずはウクライナとの対話を望むとした一方で、長期にわたる紛争が危機的状況になり、18─55歳の健康な男性を招集し軍隊の動員を加速させたと指摘。「われわれが尊敬し、尊重している偉大なるロシアとともに勝利する」と語った。
領土を拡大するのかとの質問に対しては「まだその段階ではない。今は敵軍が境界線上におり、いつでも攻勢に転じることができる段階だ」とした。
ロシアの与党幹部アンドレイ・トゥルチャック氏は、世界中のいかなる勢力もロシアの承認という法的結果を変えることはできないと強調。「われわれにとって『ロシアは自国民を見捨てない』というスローガンは空虚な言葉ではない」としたほか、現在のウクライナ政府と何らかの合意が得られる可能性は低いと語った。