[シドニー 9日 ロイター] - オーストラリアは9日、東部沿岸の甚大な洪水被害を受け、国家非常事態宣言を発令した。
モリソン首相は「オーストラリアは、今回のような自然災害で住みにくくなりつつある」と述べた。
首相はこの日、洪水に見舞われた東部ニューサウスウェールズ(NSW)北部のリズモアを訪問。地域の住民や企業に対する追加財政支援も約束した。
NSW州では、地方都市や州都シドニー近郊で数週間にわたり豪雨が続き、当局は被災地に食料や生活必需品を届けるのに苦慮している。
2019年の森林火災を受けて設けられた非常事態宣言は、連邦政府に人的資源などを直ちに配置する権限を与えるもの。
5月までに実施される連邦選挙を控え、世論調査で後れを取っているモリソン首相は、20人の命を奪った今回の洪水に対する政府の救援活動を巡って批判にさらされている。豪連邦制の下では、自然災害への緊急対応は通常各州が行う。
一方、シドニー北東部では9日、雨が弱まったため、数千人の住民が自宅に戻ったが、西部郊外では大規模な洪水が続いている。
シドニーでは22年に入ってからこれまでに、年間降水量の約80%に当たる900ミリ近くの雨が降り、記録を取り始めて以来最も雨の多い年始となっている。