[12日 ロイター] - 陸上男子5000メートルと1万メートルで五輪2冠を達成したモハメド・ファラー(英国)が、英BBCのドキュメンタリーで9歳の時に児童売買で英国に不法入国させられた過去を告白した。
ソマリア生まれで39歳のファラーは、それまで会ったこともない女性によってジブチから偽造渡航文書で渡英させられ、その際に名前もフセイン・アブディ・カヒンから現在の名に変えられたという。
そして英国に到着すると、女性はロンドン西部にある自宅にファラーを連れて行き、ファラーが12歳になるまで学校に行くことを禁止し、食事と引き換えに家事や子どもの世話を強要した。
ファラーは今週放送される番組で「よくトイレに逃げ込んで泣いたものだ。その環境から逃れるために唯一できたことは、外に出て走ることだった」とコメント。そして、そのことを打ち明けた体育教師の支援でソマリア人コミュニティーの里親が見つかり、苦境から逃れられたという。
「私と全く同じ経験をしている人がこれほど多いとは想像していなかった。私は本当に幸運だった。走ることができたので自分を救い、変えることができた」と話した。
*動画を付けて再送します。