[ワシントン 19日 ロイター] - 米下院は19日、同性婚の権利を連邦レベルで保障する法案を賛成多数で可決した。米連邦最高裁が人工妊娠中絶を憲法上の権利と認める1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆したことを受け、同性婚や避妊の権利を認めた従来の判例も覆される可能性が浮上したため、民主党が成文化に動いた。
採決結果は賛成267、反対157。共和党から47人が賛成に回った。同性婚の権利を保護し、人種や性別に基づき結婚の有効性を否定する行為を禁止する内容。
法案は今後、上院で採決されるが、民主、共和両党の勢力が拮抗しているため結果は見通せない状況。
最高裁の保守派トーマス判事はロー対ウェイド判決を覆す判断を支持する意見の中で、同性婚を憲法上の権利と認めた2015年の判決や避妊の権利に関する過去の判断もロー対ウェイド判決と同じ法的論拠に基づいているため、見直すべきだと主張していた。
下院が可決した法案では、最高裁が過去の判断を覆した場合に州レベルで同性婚を制限することが依然可能になるが、そのような州も同性婚の合法性が維持されている州で成立した結婚は、承認するよう義務付けられる。
下院は21日に避妊の権利に関する法案の採決を行う予定。