[9日 ロイター] - ボスニア・ヘルツェゴビナのサッカー協会は9日、公式ウェブサイトで11月にロシアと親善試合を行うことを発表。これに対し、自国の代表選手らから批判の声が上がっている。
ロシアは2月からウクライナへの軍事侵攻を開始。これを受けて、国際サッカー連盟(FIFA)と欧州サッカー連盟(UEFA)は、ロシアのクラブと代表チームに対し、両連盟主催のあらゆる大会への出場を禁止とする制裁を科した。
ボスニアメディアによると、ユベントス(イタリア)やバルセロナ(スペイン)でプレーした経験があり、ボスニア代表で2008年のデビューから107試合に出場しているMFミラレム・ピアニッチ(32)は、親善試合に関して「この決断は良くない。言葉が出ない」と批判。
また、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦争中の1992年から95年かけて、近代ヨーロッパ史では最も長い43カ月間にわたり敵から包囲された歴史を持つ首都サラエボの市長も、SNSで「サラエボは侵略者から最も長く包囲されてきた都市として、また、私は市長として、ロシアと親善試合を行うというボスニア・サッカー協会の決定を強く非難する」と述べ、「決定が覆らない限り、サッカー協会との協力関係を解消する」と続けた。
親善試合は11月19日にロシアで予定されている。ロシアはFIFAからの制裁により、翌20日に開幕するワールドカップ(W杯)カタール大会には出場できず、ボスニア・ヘルツェゴビナは予選敗退している。