[エルサレム 5日 ロイター] - イスラエル軍の情報部門で首席分析官を務めるアミット・サール准将は5日の軍事系シンクタンクの会合で講演し、イラン国内で続いている抗議行動によってもイスラム聖職者が率いる最高指導部の権力が揺らぐ可能性は低いとの見方を示した。
イランでは髪を隠すスカーフのかぶり方が不適切として拘束された女性が急死したことを巡り、全土で抗議デモが発生している。イスラエルはイランと長年の冷戦状態にある仇敵の仲。イスラエル情報部門はイラン当局による核開発を警戒・監視し続けている。
サール氏は「抑圧的なイランの政治体制はこれらの抗議を何とか乗り切っていくように思われる。イラン体制側は事態に対処するための非常に強力な手段を構築している」と指摘。ただ、抗議行動が弱まったとしてもそれらをもたらした要因は残り続けるとし、「イランの政治体制は何年も問題を抱えていく可能性がある」と予測した。
一方、同氏の上官に当たるアーロン・ハリバ少将は同じ会合で「長期的にはイランの政治体制が生き残ることはないだろう」と発言。その上で「自分はその日がいつかを示す立場にはない。われわれは予言者ではない」とも述べた。