[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリアのウォン外相は20日、中国の王毅国務委員兼外相との会談を控え、中国に対して貿易制裁の解除を働きかける考えを示した。
ウォン氏は21日に北京で王氏と会談する。オーストラリアの閣僚が中国を訪問するのは2019年以来で、北京での正式な外相会談は18年以降初めて。
ウォン氏は「両国関係における難しい問題の多くは解決に時間がかかる」と指摘。 「今回の訪問はそれに向けた新たな一歩と考えている」と述べた。
新型コロナウイルス発生源などを巡りオーストラリアと中国の関係は悪化しており、中国は複数のオーストラリア製品に関税を課しているが、労働党政権は関係修復を目指している。
ウォン氏は、中国で拘束中のオーストラリア人ジャーナリストのチェン・レイ氏と作家のヤン・ヘンジュン氏が領事館にアクセスできるよう引き続き求めると説明。公式会談の再開が両国関係の安定につながることを期待していると述べた。
一方、中国外務省の毛寧報道官は定例記者会見で、「オーストラリア側が相互尊重の精神を堅持しながら相違を保ちつつ共通点を模索し、中国と同じ方向で両国の包括的戦略パートナーシップを推進し、健全で安定した発展軌道に戻ることを望んでいる」と述べた。