[キーウ 30日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は30日、ウクライナを訪問しているデンマークのフレデリクセン首相と南部ミコライウで会談した。
外国の首脳が戦闘の前線に近い地域を訪問するのはまれ。ウクライナ大統領府が公開した映像によると、フレデリクセン首相はゼレンスキー氏と共に病院を訪問し、ロシア軍との戦闘で負傷した兵士に会ったほか、ミコライウの港湾施設を訪れ、ロシア軍のミサイル攻撃で被災した石油貯蔵タンクなど視察した。
デンマーク国防省は今月、自走式榴弾(りゅうだん)砲「カエサル」19門をウクライナに供与すると発表。ゼレンスキー氏はデンマークによる支援に謝意を表明した。
両首脳はその後、南部の港湾都市オデーサで共同記者会見を実施した。
ゼレンスキー氏は、ウクライナ侵攻開始から間もなく1年を迎えるにあたりロシアが攻勢を強める可能性があると指摘。「ウクライナは大規模な反転攻勢を準備する」と述べた。
「ロシアは大規模な復讐を計画しており、既に開始しているだろう」と述べ、「ロシアは連日正規軍を増派するか、ワグネル戦闘員を増員するかしている」と語った。
ゼレンスキー氏はここ数週間、ロシア軍が膠着状態にあるウクライナ南部と東部の戦線打開に向けてウクライナ軍への攻勢を強める可能性があると指摘している。
ウクライナ東部ドネツク州のロシア支配地域の指揮官は、ロシア軍がブフレダールに拠点を確保したと述べた。
ゼレンスキー氏はミコライウで地元関係者とも会い、南部の作戦状況のほか、エネルギーインフラの状態や長期的な復興などについて協議した。