[北京/台北 13日 ロイター] - 中国の海上安全管理当局は13日、ロケットの残骸が落下する可能性があるとして、16日午前9時(日本時間午前10時)から午後3時まで台湾の北の海域で船舶の航行を禁止すると発表した。台湾の中央通信社(CNA)は安全保障関係筋の話として、中国の気象衛星打ち上げに関連するものとの見方を報じている。
中国の海上安全管理当局が示した座標は台湾の北東にある長方形の区域に対応し、最も近い点は台湾から118キロであることが台湾運輸当局の地図で示されている。この区域は日本の石垣島の北西にあり、日本が「尖閣」、中国が「釣魚」と呼ぶ東シナ海の小島群に近い。
台湾CNAは安全保障関係筋の話として、中国は16日に北西部の甘粛省から気象衛星の打ち上げを計画しているとし、制限の理由はこの気象衛星の打ち上げで、軍事訓練ではないと報じた。
ただ中国はこうした衛星の打ち上げを公式に発表していない。
台湾の高官は匿名を条件にロイターに対し、中国は16日に27分間の飛行制限を行うという従来の通告を変更していないと述べ、新しい通告は航空機ではなく船舶のみを対象としているとの認識を示した。
台湾当局などによると、中国は台湾北方で16日に飛行禁止空域の設定を計画している。台湾の王国材交通相は約33の航空便が影響を受けるとの見方を示した。
中国は飛行禁止区域についてコメントしていない。
松野博一官房長官は13日の会見で、中国当局から今月16日午前10時30分から57分の間に航空機の安全に影響のある区域を設定すると通報があったとし、日本政府から中国側に説明を求めたと明らかにした。