[アスンシオン 30日 ロイター] - パラグアイで30日、大統領選の投開票が行われ、台湾との外交維持を掲げる保守系与党コロラド党の候補サンティアゴ・ペニャ氏(44)が当選を確実にした。
開票率99.9%の時点で、経済学者のペニャ氏の得票率は42.7%と、中道左派の対立候補エフライン・アレグレ氏に15ポイント以上の差をつけている。
パラグアイは、台湾と正式な外交関係を維持している13カ国のうちの一つ。ペニャ氏は台湾との関係を維持するとし、アレグレ氏は台湾との関係が大豆や牛肉の対中輸出を困難にしていると批判していた。
ペニャ氏は「コロラド党の勝利に感謝、このパラグアイの勝利に感謝する」と勝利宣言した。アブド大統領もペニャ氏を「次期大統領」と呼んで勝利を祝った。
議会選や知事選でもコロラド党や保守系候補が強さを見せており、一部州では同党が過半数の議席を獲得するなど歴史的な勝利となっている。
今回の結果を受け、ペニャ氏は農業主導型経済の活性化、財政赤字削減、台湾の代わりに中国とその巨大市場を選ぶべきとする大豆・牛肉生産者からの圧力という課題に直面することになる。
コロラド党は1950年代以来、パラグアイ政治を支配してきたが、経済低迷と汚職疑惑によって支持に陰りも見られる。
台湾外交部(外務省)は、駐アスンシオン台湾大使が蔡英文総統に代わってペニャ氏に祝意を伝えたと発表。声明で「民主主義や自由といった共通の価値観と両国の伝統的な友好関係に基づき、わが国はパラグアイ新政権との協力・交流を深めていく」とした。