Joe Cash
[北京 10日 ロイター] - モルディブのムイズ大統領は10日、中国の北京で習近平国家主席を会談し、両国の関係を「包括的戦略協力パートナーシップ」に格上げすることで合意した。
昨年11月に就任したムイズ氏は、大統領選の時点から反インドを掲げ、中国に接近する姿勢を打ち出していた。同氏によると、インドはモルディブの主権に重大な脅威を与える存在だという。
中国の国営メディアの報道では、習氏はムイズ氏に対して「中国とモルディブの関係は過去から未来へと時間を進める歴史的な機会に直面している」と伝えた。
今回の関係強化を通じて中国はモルディブへの投資を拡大し、インド洋においての影響力を強める構えだ。
一方、モルディブ大統領府は会談後の声明で「ムイズ氏はモルディブ経済の成功とインフラ整備において中国が重要な役割を果たすことへの感謝を表明した」と述べ、両国間では20項目の重要な合意が締結されたと付け加えた。
世界銀行のデータに基づくと、モルディブは中国から13億7000万ドルを借り入れている。これは同国の公的債務の約20%を占め、借り入れ規模はサウジアラビアからの1億2400万ドルやインドの1億2300万ドルを大幅に上回って、二国間として最も大きい。