[26日 ロイター] - 2021年の東京五輪前に中国の競泳選手23人がドーピング検査で陽性反応が出たものの出場が許可された問題で、中国の反ドーピング機関(CHINADA)は26日、世界反ドーピング機関(WADA)の調査に協力する意向を示した。
この問題は、東京五輪開幕の数カ月前に中国の競泳選手らが心臓の薬に含まれるトリメタジジンの陽性反応を示したと複数メディアが報道。WADAは声明で、CHINADAから、選手らが気付かずに薬物に汚染された状態で検体を提出したため陽性反応を示したと、21年6月に通知されたと明らかにした。
その上で「最終的に、汚染がトリメタジジンの起源である可能性を否定する立場にはないと結論付けた」とし、「選手に過失や怠慢は認められない」と説明。また外部専門家の助言に基づき、中国の決定についてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴することは正当ではないと判断し、処分を見送った。
しかし、その対応に関して批判が集まると、WADAは25日に同機関から独立した検察官による調査を行うと発表。調査は独立検察官のエリック・コティエ氏が指揮を執り、2カ月以内に調査結果を発表する予定となっている。
また、WADAは中国の反ドーピングプログラムを査定するため、同国にコンプライアンス監査チームを派遣し、独立監査人を参加させることも発表している。