[ジェシュフ(ポーランド) 30日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は、ロシアが侵攻したウクライナではNATO加盟国に対する信頼が「低下している」との見解を示した。ロシアとの戦闘に向けた武器納入の遅れなどが要因という。
ウクライナ訪問後にロイターの取材に応じたストルテンベルグ氏は29日夕、ウクライナに対する国際的な軍事支援の調整を再構築する時期に来ていると指摘。「予測可能性と一層の説明責任、負担分担を確保するためには、より強固で組織化された支援の枠組みが必要だ」と訴えた。
NATO加盟国の支援が不十分だった例として、米議会が約600億ドルのウクライナ支援策を可決するのに6カ月かかったことや、欧州諸国が約束よりもはるかに少ない砲弾しか提供しなかったことを挙げた。これらが戦場で大きな影響を及ぼしてロシアが先手を取り、弾薬不足のウクライナ軍は守勢に回ることを迫られている。
ストルテンベルグ氏は「約束したものを提供していないということは信頼を低下させた」と言及。一方でウクライナは今もNATO加盟国を信じており、加盟国が支援を提供するかどうかにかかっているとの認識を示した。