[30日 ロイター] - 米ニューヨーク州地裁の判事は30日、不倫口止め料を不正に処理したとして起訴されているトランプ前大統領が繰り返し「かん口令」に違反したとし、法廷侮辱罪で9000ドルの罰金を科した。
今後も違反を続ければ、収監を検討するとも警告した。
他の訴訟を合わせ、これまでに2億ドルを超える保釈金を支払っているトランプ氏にとっては9000ドルの罰金はさほど多額ではない。しかし、大統領経験者が被告人となる米史上初の刑事裁判で元大統領が収監されれば、極めて異例の事態となる。
今月15日始まった公判に先立ち、トランプ氏には公の場での証人や裁判所職員に関する発言を禁じる「かん口令」が出されていた。しかし判事は、トランプ氏が4月10━17日に自身のソーシャルメディアに投稿した発言で9件の違反があったとし、1件当たり1000ドルの罰金を科す判断を下した。
同日午後2時15分(日本時間5月1日午前3時15分)までに、「トゥルース・ソーシャル」のアカウントや選挙運動ウェブサイトからこうした発言を削除することも命じた。
罰金支払いの期限は5月3日。
トランプ氏はトゥルース・ソーシャルへの投稿で、判事の判断に反発。「私は歴史上、言論の自由を奪われた唯一の大統領候補だ。この『裁判』自体が不正だ」と主張した。