[ワシントン 7日 ロイター] - バイデン米大統領は7日、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)追悼式典で演説し、反ユダヤ主義の脅威が高まっていると警告した。パレスチナ自治区ガザで軍事行動を続けるイスラエルに対し全米各地の大学でデモが広がる中、イスラエル支援やユダヤ人の安全、言論の自由などを巡る国内の分裂解消を目指した。
バイデン大統領は演説で、「二度と起こってはならない」とは「決して忘れないということで、それは真実を語り続けなくてはならないことを意味する」と強調。「(ユダヤ人に対する)憎悪は世界中のあまりにも多くの人々の心の奥深く根付いている。われわれは引き続き警戒する必要がある」と述べた。
この日は、昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲で1200人が犠牲になってからちょうど7カ月となる。
バイデン大統領はまた、イスラエル政府との意見の相違があるものの、イスラエルに対する自身のコミットメントは揺るぎないものとも強調した。
バイデン氏は2日にも、米大学で拡大するガザ反戦デモについて演説し、「平和的な反対意見は民主主義にとり不可欠」としつつも、「反対意見が混乱を招いたり、他者の権利を否定してはならない」と強調。建造物などの破壊行為は「平和的な抗議ではない。法律違反だ」とし、暴力は容認されない点を強調した。