Guy Faulconbridge
[モスクワ 24日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は24日、西側諸国が人工知能(AI)の分野で独占的に発展することを容認するべきではないとし、ロシアはAI開発に向けた野心的な戦略を近く承認すると述べた。
プーチン氏はモスクワで開催されたAI会議で行った講演で、新たな技術で倫理的、社会的な問題が引き起こされることがあるとの認識を示しながらも、AIを禁止することは不可能と指摘。「禁止はできない。禁止すればAIは別の場所で発展し、われわれは遅れをとることになる」と述べた。同時に、倫理的な問題は「伝統的な」ロシア文化に沿って解決されなくてはならないと語った。
また、欧米諸国のオンライン検索システムや生成モデルの中には、ロシア語やロシア文化を無視したり、排除したりするものがあると言及。「こうした異質なシステムによる独占と支配は危険で、容認できない」と語った。
その上で、AIの登場で「人類はその存在の新たな章を開きつつある」とし、ロシアは野心と実行の双方でAIを後押ししなければならないと指摘。AI開発の国家戦略を承認する大統領令に近く署名すると表明した。
会議にはロシア大手銀行ズベルバンクのゲルマン・グレフ最高経営責任者(CEO)も出席。グレフ氏は旧ソ連時代は貯蓄銀行として知られていたスベルバンクを変革し、AIのほか、クラウドサービスやビッグデータなどへの投資を進めている。