今週の最大の注目は全米サプライマネジメント協会が発表する9月のISM景況感指数だ。
3日に製造業の、5日に非製造業の景況感指数が発表される。
8月の製造業指数は2ヶ月連続の低下となり、好不況の分岐点である50を2月以来6ヶ月ぶりに下回った。
非製造業指数も2ヶ月連続の低下となったが下落幅が大きく、市場予測を大きく下回った。
水準としては6年半ぶりの低さだった。
9月の相場を振り返るとこの2つのISM景況感指数の下振れで円高の流れが決定づけられたと言っても過言ではない。
事実、製造業指数発表直前、ドル円は104円をつけていた。
それが、製造業指数が出た途端に103円10銭台まで急落。
市場の反応という意味では非製造業指数のインパクトの方が大きかった。
市場予想を大幅に下回るネガティブサプライズで、発表直前の103円半ばから102円ぎりぎりまで、約1円50銭の急落となった。
ざっくり言えばISMで104円から102円まで2円ほど円高にもっていかれた感覚だ。
今回、ISMは製造業、非製造業とも持ち直しが予想されている。
これらが改善すれば、この材料で下げた2円分を戻し、103円台前半までの円安はあり得るだろう。
そうなればずっとドル円の頭を抑えてきた75日移動平均を抜き、一目均衡表の雲の中に入る。
これまでとは景色が違ってくる。
日本株の大きな支援材料になるだろう。
週末に雇用統計を控えていることから、ISM非製造業指数と同じ5日発表のADP雇用レポートにも注目したい。
物色対象としては、米経済指標改善で円安が進むなら無論、景気敏感株が中心となろうが、今週は3日からノーベル賞の発表が始まる。
バイオ関連が投資テーマとなるかもしれない。
そのほか小売業の決算発表がある。
5日はABCマート (T:2670)、良品計画 (T:7453)、イオン (T:8267)の決算が、6日には7&iHD (T:3382)の決算が発表される。
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆
(出所:マネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋)