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3Dマトリック Research Memo(1):「自己組織化ペプチド技術」を用いた止血材・血管塞栓材などの開発を進める

発行済 2016-10-24 07:36
更新済 2016-10-24 08:00
3Dマトリック Research Memo(1):「自己組織化ペプチド技術」を用いた止血材・血管塞栓材などの開発を進める
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スリー・ディー・マトリックス (T:7777)は2004年に設立されたバイオマテリアル(医療用材料)のベンチャー企業である。
米マサチューセッツ工科大学において開発された「自己組織化ペプチド技術」を使って外科医療分野の止血材・血管塞栓材、再生医療分野の歯槽骨再建材・創傷治癒材、その他では核酸医薬向けDDS(ドラッグデリバリーシステム)の開発を国内外で進めている。


2017年4月期第1四半期(2016年5月−7月)の事業収益は前年同期比82.7%減の8百万円、営業損失は397百万円(前年同期は519百万円の損失)となった。
事業収益のうち吸収性局所止血材「PuraStat®」(以下、止血材)の売上高は、8百万円となったが、ライセンス収入や研究試薬販売の減少により減収となった。
一方、費用面では研究開発費や販管費の抑制を進めたことで、営業損失は縮小した。
当初の会社売上計画24百万円に対しては若干下振れたものの、欧州での医療施設の開拓及び施設当たり売上高の増加に向けた取り組みを進めている段階であり、誤差の範囲内と言える。


2017年4月期の業績は売上高が547百万円、営業損失が1,807百万円と期初計画を据え置いている。
第2四半期の売上高は数千万円規模にまで増加するものと予想されるが、欧州やアジア・オセアニア、中南米地域での売上高が伸びてくるのは第3四半期以降と見られる。
また、下期には韓国での製品販売承認取得による提携先からのマイルストーン収益50百万円を見込んでいる。


遅れている日米での止血材の治験については、今期中の開始を目指していく方針に変わりない。
また、欧州では消化器内視鏡手術後の後出血予防材について、CEマーキング※を今期中に取得して販売を開始したい考えだ。
潜在需要としては同領域における止血材と同程度の規模(欧州市場で約150百万ドル)が見込まれ、今後の成長が期待される。


※EU加盟国で医療機器を流通させるために製品への表示が義務付けられている安全規格に適合していることを示すマーク。
EU加盟国以外でも日米を除く多くの国で採用されている。


中期経営計画では、2018年4月期に事業収益で2,607~5,907百万円、営業利益で−435~2,865百万円を見込んでいる。
止血材の販売で2,607百万円、欧州・中国での止血材の販売契約一時金で2,600百万円、その他パイプラインの販売契約一時金で700百万円を計画している。
予想レンジは販売契約一時金の有無が前提となっている。


同社の業績は、欧州での販売契約交渉や日米での治験計画が遅延していること等により、ここ数年赤字が続いている状況にある。
今後もこれらイベントが計画どおり進捗しなければ、業績低迷が続くリスクがあることには留意する必要がある。


■Check Point
・17/4期1Qは全社的に効率化を進めたことで研究開発費等は減少
・歯槽骨再建材については、18/4期に製造販売承認申請を行う予定
・3ヶ年中期経営計画として、19/4期に事業収益5,866~8,868百万円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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