■ビジネスモデル改革プラン『3年戦略』を発表
(5)“新立地”事業性模索の具体的施策
ボルテージ (T:3639)の2017年6月期第1四半期決算発表における新たなトピックスとしては、新たな事業領域として“新立地”を規定し、その事業性の模索に取り組み始めたことが挙げられる。
同社は従来の3区分に加えて、“新立地”と呼ぶ新たな事業領域を規定した。
同社の事業区分マトリックスで言うと、客層と技術の両面から“新規モデル”に該当する箇所にあたる。
具体的な事業内容として、VR(ヴァーチャル・リアルティ)などのハイテク技術と融合させた分野への進出と、同社のドラマアプリ・コンテンツを舞台やグッズ等のリアル系ビジネスへとつなげて収益化を狙うことの2つが示されている。
前者は“ハイテク”、後者は“リアル”と社内的には呼称されている。
同社は“ハイテク”及び“リアル”の“新立地”事業に、2017年6月期から本格的に着手している。
その詳細は明らかにされていないが、“ハイテク”では、既に自社タイトルを利用したVRコンテンツが2016年9月の東京ゲームショウで初公開され、大きな話題を呼んだ。
また、“リアル”においても複数の事業展開を模索・検討中で、舞台については既に2016年10月に実現しているほか、グッズ販売についても2016年7月に出展した海外イベントAnime Expo 2016やC3 CharaExpo 2016、日本における2016年11月のアニメイトガールズフェスティバル2016などで行われている。
同社はこの分野に関しては、同社が現在持つコアコンピタンスはむやみに拡張せず、専門企業と連携することで事業範囲の拡張を図るとしており、事業性自体の模索を目的とした試作やテストマーケティングに乗り出す計画だ。
弊社では“新立地”事業の詳しい評価や、業績予想への織り込みにはもう少し時間と情報が必要だと考えているが、『3年戦略』の重要な一角を占めており、最終年度の2019年6月期には収益貢献が具体化してくると期待している。
“ハイテク”では、“新展開”・“新規モデル”における「ミニマム」、「小刻み」というコンセプトに変えて、「試作」、「試売」をキーワードとしている。
これには、事業性を確認する中でのリスク低減のほかにも、「まずは(低コストで)やってみて、ノウハウを蓄積する」という目的意識も込められている。
新規事業開発のためには「必要なリスクは取る」という姿勢を明確にしているわけだが、内部の収支管理への意識が強化された中では、リスクテイクの姿勢は不安よりも期待のほうが大きいと弊社では評価している。
リアル系事業では、ベースとして他社との連携が想定されている点に注目している。
同社のヒット作である『天下統一恋の乱 Love Ballad』は劇団番町ボーイズ☆により舞台化された(公演は2016年10月13日~16日)。
これに象徴されるように、同社のドラマアプリのコンテンツには、舞台はもちろん、グッズを始めとする幅広い領域に展開するだけの魅力がある。
パートナーによっては予想外のヒットにつながる可能性もあり、今後の展開を見守りたいと考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
(5)“新立地”事業性模索の具体的施策
ボルテージ (T:3639)の2017年6月期第1四半期決算発表における新たなトピックスとしては、新たな事業領域として“新立地”を規定し、その事業性の模索に取り組み始めたことが挙げられる。
同社は従来の3区分に加えて、“新立地”と呼ぶ新たな事業領域を規定した。
同社の事業区分マトリックスで言うと、客層と技術の両面から“新規モデル”に該当する箇所にあたる。
具体的な事業内容として、VR(ヴァーチャル・リアルティ)などのハイテク技術と融合させた分野への進出と、同社のドラマアプリ・コンテンツを舞台やグッズ等のリアル系ビジネスへとつなげて収益化を狙うことの2つが示されている。
前者は“ハイテク”、後者は“リアル”と社内的には呼称されている。
同社は“ハイテク”及び“リアル”の“新立地”事業に、2017年6月期から本格的に着手している。
その詳細は明らかにされていないが、“ハイテク”では、既に自社タイトルを利用したVRコンテンツが2016年9月の東京ゲームショウで初公開され、大きな話題を呼んだ。
また、“リアル”においても複数の事業展開を模索・検討中で、舞台については既に2016年10月に実現しているほか、グッズ販売についても2016年7月に出展した海外イベントAnime Expo 2016やC3 CharaExpo 2016、日本における2016年11月のアニメイトガールズフェスティバル2016などで行われている。
同社はこの分野に関しては、同社が現在持つコアコンピタンスはむやみに拡張せず、専門企業と連携することで事業範囲の拡張を図るとしており、事業性自体の模索を目的とした試作やテストマーケティングに乗り出す計画だ。
弊社では“新立地”事業の詳しい評価や、業績予想への織り込みにはもう少し時間と情報が必要だと考えているが、『3年戦略』の重要な一角を占めており、最終年度の2019年6月期には収益貢献が具体化してくると期待している。
“ハイテク”では、“新展開”・“新規モデル”における「ミニマム」、「小刻み」というコンセプトに変えて、「試作」、「試売」をキーワードとしている。
これには、事業性を確認する中でのリスク低減のほかにも、「まずは(低コストで)やってみて、ノウハウを蓄積する」という目的意識も込められている。
新規事業開発のためには「必要なリスクは取る」という姿勢を明確にしているわけだが、内部の収支管理への意識が強化された中では、リスクテイクの姿勢は不安よりも期待のほうが大きいと弊社では評価している。
リアル系事業では、ベースとして他社との連携が想定されている点に注目している。
同社のヒット作である『天下統一恋の乱 Love Ballad』は劇団番町ボーイズ☆により舞台化された(公演は2016年10月13日~16日)。
これに象徴されるように、同社のドラマアプリのコンテンツには、舞台はもちろん、グッズを始めとする幅広い領域に展開するだけの魅力がある。
パートナーによっては予想外のヒットにつながる可能性もあり、今後の展開を見守りたいと考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)