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高木証券 Research Memo(5):国策「貯蓄から投資へ」の流れで証券会社の重要性が増す

発行済 2016-11-24 16:12
更新済 2016-11-24 16:33
高木証券 Research Memo(5):国策「貯蓄から投資へ」の流れで証券会社の重要性が増す
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■高木証券 (T:8625)の会社概要

(4)外部環境

a)業界動向
証券業界に大きな衝撃を与えたのは、1999年の株式売買委託手数料自由化だろう。
個人投資家の株式売買が、手数料の安さを売りとするネット取引に大きくシフトするとともに、台頭するネット証券を中心として手数料割引競争が激化した。


そのような環境変化は、個人投資家からの手数料収益に多くを依存している準大手以下の証券会社には強い逆風となった。
2012年3月期には株式市況の低迷も重なって、日本証券業協会に属する会員証券会社274社のうち164社が当期純損失を計上する結果となった。
また、ピークの2009年3月末には321社であった日本証券業協会の会員数も、相次ぐ合併や廃業などにより、2016年3月末には256社に減少している。
ここ数年はやや落ち着きを取り戻しているものの、今後も業界の淘汰が進展する見方に疑う余地はない。
裏を返せば、特長のあるサービスで差別化を図ることができる証券会社にとっては、大小を問わず、生き残ることによる残存者利益を享受できる環境とも言えるだろう。


業界構造については、事業規模などに応じて、大手、銀行系、準大手、中堅・中小などのグループに分類されるが、同社は中堅・中小のグループに属している。
同社と同グループの証券会社には、水戸証券 (T:8622)、岩井コスモホールディングス (T:8707)、極東証券 (T:8706)、藍澤證券 (T:8708)などがある。


また、証券業界の特徴として、株式による受入手数料に依存した収益構造が挙げられる。
過去の株式市場の動向と業界全体の業績を見ると強い相関関係が見られる。
リーマンショックや円高進行等による景気後退の影響で株式市場が低迷するなかで、証券業界も2009年3月期から2012年3月期まで業績不振が続いた。
2013年3月期以降は株式市場の回復に伴い業績も改善傾向にあったが、2016年3月期は世界的な連鎖株安の影響等によりやや厳しい収益環境となった。


b)投資信託の動向
同社戦略の柱となっている個人向けの投資信託は、法制度の改正やラインナップの拡大等に伴って着実な成長を遂げてきたが、足元の残高は87兆円(2016年6月末)と前年比11.7%減と縮小している(日本銀行「資金循環統計」)。
また、個人の金融資産の占める割合もまだ5%程度にすぎない。
日本の投資信託は、本来の特徴である中長期的な保有を目的とした商品として機能していないところに課題があるとの見方がある。
個人投資家における金融知識の欠如(その結果、長期保有を目的とした利用が少ない)や販売会社による回転売買重視の営業(短期売買を促すことにより販売手数料を稼ぐ)などがその要因として挙げられ、その結果として、相場環境等によって取扱いが左右する状況がみられてきた。
また、販売会社が系列の運用会社を持つことによる中立性の問題なども指摘されている。
ただ、国策とも言える「貯蓄から投資へ」(長期的な資産形成の促進)の流れのなかで、投資信託が大きな役割を担うことに異論はなく、少額投資非課税制度(NISA)の導入や投資教育の進展等を背景として、投資信託が大きく発展する可能性は高い。
そのような環境を踏まえると、同社の営業スタイル(顧客目線によるコンサルティング営業)はまさに時代の要請にマッチしているものと評価することができる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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