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サンワテクノス Research Memo(7):エンジニアリング事業は順調に拡大。エンドユーザーとの直接取引に期待

発行済 2017-06-09 09:06
更新済 2017-06-09 09:33
サンワテクノス Research Memo(7):エンジニアリング事業は順調に拡大。エンドユーザーとの直接取引に期待
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■中期の成長戦略

2. エンジニアリング事業の概要と進捗状況
(1) 事業の概要
サンワテクノス (T:8137)においてエンジニアリング事業というのは、“電機・電子・機械の3部門の商品をそれぞれ単品販売するのではなく、システムとしてソリューションを提案する”ということで、言わば営業手法である。
同社を食品スーパーに見立てると、これまでの同社は肉、魚、野菜を取りそろえて素材のまま顧客に販売してきた。
エンジニアリング事業では、それぞれの食材を惣菜やお弁当に加工して販売するというイメージだ。
エンジニアリング事業としての売上高が立つのではなく、電機・電子・機械の3部門に振り分けられることになる。


同社はエンジニアリング事業の強化に、前中期経営計画『JUMP1200』の時代から取り組んできた。
その背景には、エンジニアリング事業が、同社の仕入先・販売先双方が「手離れをよくするため、切り離したい」と考えている部分をカバーするものであるという点がまず挙げられる。
すなわち同社はアウトソースニーズの受け皿となり、その一環で各商材の販売を拡大していこうという戦略だ。
また収益の面では、商社としての販売代理業に比べて、“ソリューション”という付加価値の分だけマージンを稼ぐことができ、より高い利益率を追求することができると期待されることがある。
このように、客側のニーズと収益性を高めたい同社の意向がマッチして、これまで着実に成長してきた。


(2) 進捗状況
エンジニアリング事業の加速を狙って、同社は必要な投資を行ってきている。
前述の例になぞらえれば、惣菜や弁当に調理する役割を担う人材の外部からの採用を含めた拡充を図っている。
組織体制では、2015年4月には「FAシステム営業統括部」(現・FAシステム営業部)、「産業ソリューション統括部」(現・産業ソリューション部)、「エンジニアリング部」などを設置し、3つの商材に横串を通す形での提案・営業が加速するよう、体制を整えた。


こうした施策が奏功し、エンジニアリング事業は順調に拡大してきている。
エンジニアリング事業は営業手法であり、売上高は3事業部門に振り分けられるため、計数的には成果を表現しにくい。
1つのアプローチとして、カレーになぞらえて説明する試みを弊社では行ってきた。
肉や野菜が3つの事業部門の商材とすると、エンジニアリング事業はカレーを作って販売するというイメージだ。
このカレールウの部分がSI(システムインテグレーション)となる。
SIについては、一部は自社で行うこともあるが外部に委託することも多いため、SI仕入実績として数値が公表されている。
この値の推移を見ると、2017年3月期は上半期が約14億円であったのに対し、下半期は約16億円と順調に拡大した。


エンジニアリング事業の売上高(前述の例におけるカレーとしての売上高)の規模は、詳細は開示されていないが50億円~70億円の水準ではないかと弊社では推測している。
同社ではエンジニアリング事業の当面の目標として100億円という数値を挙げているが、その数値は今中期経営計画中に達成される見通しが立ってきたということが、推測の根拠だ。


(3) エンジニアリング事業の新商流:エンドユーザー取引
2017年3月期には注目される動きがあった。
これまで同社のエンジニアリング事業は、直接の取引相手は装置メーカーであった。
装置メーカーはそれをエンドユーザーである企業の工場等に製造装置として納入するという流れだ。


それに対して2017年3月期において同社は、エンドユーザーを直接の取引相手として自動化装置等を納入することに成功した。
これが可能になったのは、同社の技術力・ソリューション力の存在は言うまでもないが、エンドユーザーの側が工場の生産ラインについての専門家を配置しているということが大きい。
同社の営業部隊と話し合える窓口がいなければ始まらない。
今回のエンドユーザーにはそれがあったということだ。


エンドユーザーの立ち位置にある各企業において、生産ライン技術者を充実させようという動きは、一般に想像される以上に進んでいるもようだ。
背景には生産ラインへの設備投資額の抑制や、生産ノウハウの流出防止などのニーズの高まりがあるとみられる。
また、日本の産業界全般に広がる人材流動化の高まりのなかで、生産ライン構築に高度なノウハウを有する人材を獲得しやすくなった状況もこうした動きに拍車をかけていると推測される。


今回の事例にみられるように、こうしたエンドユーザー側の動きは、同社にとっては売込み先の窓口の拡大を意味し、明確に追い風ということができる。
エンドユーザーとの取引に関してさらに弊社がポテンシャルを感じているのは、リピートオーダーだ。
業種や顧客の規模にもよるが、最初の案件で成功を収めれば、当該顧客の他の生産ラインや工場においても、同様の機材の納入につながる可能性があるということだ。
今後の進捗を見守りたいと考えている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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