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能美防災 Research Memo(6):「NOHMI」を世界ブランドに押し上げる

発行済 2017-07-19 17:09
更新済 2017-07-19 17:33
能美防災 Research Memo(6):「NOHMI」を世界ブランドに押し上げる
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■中長期の成長戦略

● 中期経営計画
能美防災 (T:6744)は、2017年3月期から3年間にわたる中期経営計画を策定しており、ビジョンと9つの施策を揚げている。


(1) 2014年3月期〜2016年3月期中期経営計画
前中期経営計画を簡単にリビューする。
2014年3月期を初年度とする3ヶ年中期経営計画「project27—輝く創立100周年に向けて—」を策定した。
「商品力」「人材力」「組織力」をキーワードに重点施策を進め、「輝く企業」に成長することを目指した。


最終年度となる2016年3月期の売上高は100,665百万円と1,000億円を突破した。
営業利益は10,674百万円となり、売上高営業利益率は10.6%と3期前の5.3%から大きく上昇した。
収益性向上が大きく寄与して、同期のROEは3期前の5.3%から10.0%の高水準に到達した。


(2) 2017年3月期〜2019年3月期中期経営計画
2017年3月期を初年度とする3ヶ年中期経営計画「project30 ~次世代防災への進化~」をスタートした。
2016年末に創立100周年を迎えた同社グループは、さらに大きく飛躍を期す。
そのビジョンは、「創立100周年を迎え、能美新世紀として、防災事業の基盤をさらに強固なものにして社会の変化に対応する次世代防災システム・サービスを創造・提供し続けることにより世界の安全に貢献する」というもの。


a) 中期経営計画の施策
中期経営計画では、9つの施策を掲げている。
前中期経営計画における最初の項目は、「収益力の強化」であった。
そのため、「リニューアルの強化」や「サービスビジネスの強化」による積極的な営業活動はもとより、業務効率などの改善による原価低減に努めた。
経営の俊敏性を高める「物づくり機能強化と迅速な市場投入」や「生産・物流のQ・C・D競争力強化」を実行した。


現中期経営計画では、9つの施策の筆頭にくるのが「次世代防災への基盤整備」となる。
同社は、常にリーディングカンパニーとして、新たな防災ニーズに対応した防災システムを、どこよりも迅速・適切に提供し続けることが使命であると考えている。
そのため、新たな生産・実験施設等への投資を活発化させている。


メヌマ工場(埼玉県熊谷市)の近傍に新たに土地・建物を取得し、マザー工場としての位置付けをより明確にすることで、グループ全体の生産機能の強化を図る。
新規取得地と現メヌマ工場を合計すると、ほぼ倍の敷地・生産面積となるため、将来的な物量増等にも十分対応可能。
2017年8月の稼働を予定している。
新拠点の取得・整備にかかる投資は複数年にまたがっており、総投資額は約28億円。
稼働後のコスト増加額は、購入品の内製化などによるコスト低減額とほぼ同等となる見通しである。


また、現メヌマ工場の敷地内に新しく研究・PR実験棟を新設し、これも2017年8月に稼働する予定だ。
同棟への投資も複数年度にまたがっており、総投資額は約36億円に上る。
同社の設備投資額は、恒常的なものは年10億円程度である。
過去3期の設備投資額は2015年3月期が3,102百万円、2016年3月期が4,017百万円、2017年3月期が3,631百万円と同時期の年間減価償却費12億~14億円弱を大幅に上回った。
メヌマ工場への大型投資が峠を越すことから、2018年3月期の設備投資額は20億円程度に減少する。
新設される研究・PR実験棟は、来期以降の業績拡大に寄与すると期待される。


東京オリンピック・パラリンピックにかかる競技場の新築は少なく、ホテルなどのリニューアル投資を獲得する。
また、2008年9月に起こったリーマンショック後は一時低迷したものの、火災報知設備の更新需要は安定している。
更新時期は法律で定められていないが、通常、15~20年でリプレースされる。
同社は、同じ性能でよりコンパクトな新製品を開発して、更新需要を喚起する。


b) 研究開発
研究開発では、火災事象の基礎研究をベースとした火災の早期検知・消火方法の確立に努めており、これらをもとに新しい防災システムの構築及び機器の開発を行っている。
総従業員の約4%に当たる研究開発スタッフがおり、研究開発費は総売上高の約2%に相当する。
国内市場向けはもとより、海外では中国や東南アジア向けの新たな製品開発に注力している。


c) 海外事業
前中期経営計画の施策と同じく、今回も「海外事業の強化」を謳っている。
同社は、海外売上高がまだ総売上高の10%に達していない。
同業他社では、海外売上高比率が10%を超えているところもある。
同社の海外売上高は50億円程度にとどまっており、今後、倍増を目指す。
シンガポールの駐在員事務所を支店に格上げした。
新規市場開拓では事業環境が異なり、事業拡大に困難が伴うため、M&Aも検討する。
同社が東南アジア地域でターゲットとしている空港、政府系施設、日系企業の工場などの物件の約4割は受注済み。
今後これを順次引き上げ、「NOHMI」を世界ブランドに押し上げる。
その際の展開先として、東南アジアの他、中国、台湾、インドに目を向けている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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