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1stコーポ Research Memo(5):2018年5月期決算は売上高、営業利益とも成長路線を維持

発行済 2017-08-09 15:23
更新済 2017-08-09 15:33
1stコーポ Research Memo(5):2018年5月期決算は売上高、営業利益とも成長路線を維持
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■業績動向

2017年7月7日に発表したファーストコーポレーション (T:1430)の2017年5月期決算は、売上高が前期比28.7%増の20,948百万円、営業利益が同29.6%増の2,075百万円、経常利益が同33.0%増の2,013百万円、当期純利益が同37.4%増の1,413百万円となった。


同社の事業エリアである東京圏のマンション市場は好調に推移しており、新規の受注も拡大中だ。
2017年5月期の受注は、見込んでいた一部の案件が翌年度にずれ込んだものの、案件の大型化等によって18,147百万円と前期比で60.9%増と高い伸びを示している。
このうち、造注方式による受注は70.0%となり、前期実績の28.7%から大幅に割合が上昇し、先行きの収益率のアップが見込める状況だ。


マンション開発において「土地を制する者がすべてを制する」(中村利秋(なかむらとしあき)代表取締役社長)と言われるなかで、同社は本格的に土地開発の選任部隊を置き、良質な土地を確保している。
そこにデベロッパーと協調しながら良い建物を建てて行く──そうした形で事業を進めているが、現実に造注方式の大元となる建設用地の確保が着実に進んでいる。


直近でも、主だったものでも、東京都文京区、江戸川区、千葉県柏市、神奈川県横須賀市などに確保。
これらは、既に着工済み、あるいは、2018年5月期中に着工する予定となっており、今後の収益計画が達成されるめどが付く要因となっている。


また、健常シニア向けマンションの企画も進行中であるとのこと。
高齢化の進展を踏まえれば、シニア向けは将来性が期待できる分野でもあり、今後は1つの分野として力を注いでいく考えだ。
また、柏の案件は用地の面積が8,436.75平方メートルにも及ぶ大型の案件で、こうした案件の大型化も収益の向上に寄与していくことになるだろう。
同時に、造注方式によって、企画提案型案件の増加が受注獲得に拍車をかけそうだ。


大型案件の中には、デベロッパーと共同事業で行うケースもある。
これまでも、ルピアコート西大宮、ウエリス新宿早稲田の森、ジオ新宿若松町などいくつか実績があるものの、今後もデベロッパーと組む案件が多くなって行くものとみられる。


受注拡大とともに、顧客となる取引先も増加した。
2016年5月期は16社だったのが、2017年5月期には23社に増えたが、その中には、(株)アーネストワン、一建設(株)、NTT都市開発 (T:8933)、日本土地建物(株)、新日鉄興和不動産(株)、三井不動産レジデンシャル(株)、阪急不動産(株)、タカラレーベン (T:8897)といった大手の著名デベロッパーが多く名を連ねている。
現在も新規の顧客との契約が進行しており、今後も取引先が拡大するとともに、ビジネスの幅も広がって行きそうだ。


一方、財務体質も良好となっている。
一般的に建設業、不動産業は借入金が多く、他の産業に比べて脆弱なイメージがあるが、同社は公募増資を実施した上に、安定した利益計上によって内部留保の蓄積も進み、自己資本比率は2016年5月期の17.7%から2017年5月期は35.4%まで上昇した。
販売用不動産を除く自己資本比率は54.3%となる。
なお、2017年5月期の他指標は、ROA(総資産経常利益率)が16.9%、ROE(自己資本純利益率)が45.0%となった。
同様の理由でキャッシュフローも手元流動性が改善している。


受注が順調に拡大したことを背景に2018年5月期業績予想は、売上高が前期比32.1%増の27,667百万円、営業利益が同17.7%増の2,442百万円、経常利益が同18.8%増の2,392百万円、当期純利益が同17.0%増の1,653百万円と引き続き高い成長率を示す。


売上高の伸び率に対して、利益がやや鈍く、売上高営業利益率が9.9%から8.8%にダウンするが、これは事業規模拡大に伴う営業費用が増加するためだ。
収益環境やビジネスモデルから、なお成長が見込めながら、建設業界で深刻化する人手不足がリスク要因となる。
これをいかに解決していくかが今後の課題となりそうだ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)

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