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クレオ Research Memo(2):法人向けITサービスを展開する、独立系の老舗システムインテグレータ

発行済 2017-09-04 15:22
更新済 2017-09-04 15:33
クレオ Research Memo(2):法人向けITサービスを展開する、独立系の老舗システムインテグレータ
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■会社概要

1. 会社概要
クレオ (T:9698)は基幹パッケージソフトウェア「ZeeM」シリーズの製品企画、開発、販売や、「ZeeM」を主軸にした、情報系、基幹系、運用系ICTソリューションの提供を行っている。
ネットワークやシステムの企画・開発から構築、アプリケーションソフトの導入、運用サポートまで、あらゆるフェーズに対応するシステムインテグレーションサービスを提供するなど、ITサービスをバランスよく展開しているのが同社の特徴である。
ヤフー (T:4689)や、タイムレコーダー、就業システム、駐車場ゲートシステムなどの時間管理機器において、圧倒的なブランド力とシェアを持つアマノ (T:6436)と関係性が深く、両社が同社株式の約4割を保持している。


2. 沿革
1974年に株式会社東海クリエイトとして設立され、当初は受託開発を中心に事業を行っていた。
1980年にパソコン用パッケージ分野に進出し、活躍の場をBtoC市場にも拡大すると、1983年には後に累積販売本数約15万本を記録したワープロソフト「ユーカラ」シリーズの販売を開始した。
1889年に社名をラテン語で「創造」を意味する「クレオ」に変更し、1990年に株式を店頭公開した。
その後1993年に業務パッケージ『CREO Business Manager Series』(CBMS)を販売開始し、2004年にはその後継製品である「ZeeM」を発表するなど、企業向けのソリューションを強化した。
2005年にヤフーと、2013年にアマノと業務提携を行っている。
2015年に(株)筆まめを売却し法人向け体制を強化している。


3. グループ概要
同社は2017年4月に連結子会社5社((株)クレオマーケティング、(株)クレオソリューション、(株)クレオネットワークス、(株)クレオサンライズ、イアス(株))を吸収合併するとともに、子会社に分散していた製品・サービス、知識や技術を集約し、シナジー効果を最大限に発揮するため、3つのカンパニーに組織・事業を再編した。


4. 強み
同社の強みを4点挙げる。
1点目は官公庁や自治体、企業の基幹業務システム、ETC・パーキングなどの組込みシステム、といった安定性や安全性が特に求められるシステムに長年取り組んできたことで、スキルやノウハウを蓄積できたことである。
2点目はパッケージソフトの開発販売、システム受託開発、システム保守・運用、サポート、というように複数の事業ポートフォリオを持つことで、過去20年間大きく売上を減少させることなく安定的に事業を継続してきたことである。
3点目は40年超の社歴と先に掲げた長年のシステム開発・運用を通じて、大手優良顧客との強固な関係性が築けたことである。
そしてこれらの結果、安定的な収益基盤が構築でき、優れた財務体質となり無借金経営を実現できていることが、4点目の強みと考えられる。


5. 市場環境
少子高齢化が進み、低成長経済及び市場縮小という傾向が、顧客企業の収益や、人財獲得競争の激化に影響を与えている。
加えて、ICTによる各種社会インフラの高度化、幅広い産業でのIoT、ビッグデータ、AI、ロボット技術への注力、働き方改革の取り組みにおけるICTの活用など、国内IT企業は中長期的に大きな不確実性に直面しており、危機に対して堅牢で、変化に対して柔軟な企業であることが求められている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)

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