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マーケットエンタープライズ (T:3135)はネット型リユース企業。
全国に展開するリアルの買取拠点を通じてリユース品を仕入れ、販売はインターネットを活用したEC(eコマース)を通じて行っている。
1. 2017年6月期は増収・営業損失で着地。
成長投資が着実に実行され、実りのある内容
同社の2017年6月期は、売上高5,630百万円、営業損失7百万円で着地した。
MVNO事業を手掛ける子会社の連結化で、利益見通しをごく低水準においていたが、期末に保守的に在庫評価減を計上したため営業利益は赤字となった。
事業の実態面では、農機具の取扱いやレンタル事業の開始など新たな施策に積極的に乗り出した。
これらは中長期の成長戦略の一翼を担うと期待されている。
また買取基盤充実の一環として2016年6月に徳島コンタクトセンターを開設したが、そうした継続的な基盤拡充策の効果で、買取依頼件数や平均販売単価といったKPI(重要経営評価指標)は順調に改善が続いた。
2. 成長戦略は新事業への継続的なチャレンジと事業基盤のブラッシュアップ
同社の中期成長戦略は成長のための豊富なアイデアや収益基盤のブラッシュアップを着実に進めることだ。
成長事業としては前述のように農機具事業やレンタル事業がある。
これらはいずれも成長ポテンシャルが大きく、中期成長のけん引役になれる存在と位置付けて取り組んでいる。
収益基盤については最も重要な買い取りに関し、リユースセンターの拡充を着実に進めている。
2018年6月期中に全国10拠点体制が完成する見通しで、中期的には20拠点近い体制の構築を目指している。
さらに販売力の強化などにも取り組む方針だ。
3. 経常利益目標は2022年6月期までの2期累計5億円程度、2026年6月期までに10億円
同社は中長期の業績計画は公表していない。
しかし今般発表された業績達成条件付きストックオプションで掲げられた業績条件から解釈すると、2022年6月期までには3億円~5億円の経常利益を、また、2026年6月期までに10億円の経常利益を、それぞれ目標としていることがわかる。
弊社ではこれらの業績目標は現在進める成長のための施策が想定どおりに進捗すれば十分達成可能とみており、今後の推移を見守りたいと考えている。
■Key Points
・“安心・安全”を売り手・買い手双方に提供し、『CtoBtoC』における“B”の存在意義を証明
・高齢者の離農と新規就農者増加で農機具のリユース市場が急成長中
・2018年6月期も成長投資の位置付け。
業績よりも成長のための施策の進捗に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)