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日証金 Research Memo(7):貸借取引以外の業務の開拓により収益基盤の強化に取り組む

発行済 2017-12-11 15:37
更新済 2017-12-11 16:00
日証金 Research Memo(7):貸借取引以外の業務の開拓により収益基盤の強化に取り組む
8511
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■中長期の成長戦略

1. 新中期経営計画
日本証券金融 (T:8511)が、大阪証券金融との合併後4年超が経過したが、この間、第4次中期経営計画(2014年度~2016年度)のもとで、同社グループは業務及び組織・システムの一体化に取り組み、効率的で活力のある体制づくりを進めてきた。
一方で、同社グループを取り巻く事業環境は、大きく変化している。
すなわち、商品やサービスに人工知能(AI)を活用する技術向上ともあいまって金融のグローバル化と高度化が加速し、また、金融市場の安定化に向けた国際金融規制や有価証券決済制度の見直しがさらに進められ、そのもとで新たな金融取引のニーズも生まれつつある。


同社グループでは、現下の超低金利が継続する可能性にも留意しつつ、これまで培ってきた資金・有価証券関連業務の運営能力と高い信用力、市場における中立性を生かして、貸借取引業務を始めとした既存ビジネスの強化に取り組むとともに、内外の新たな取引ニーズを積極的に取り込むことで、同社の存立基盤をより強固なものとし、市場や投資家の信認に応えていきたいと考えている。
すなわち、主要業務である貸借取引業務の強化に取り組む一方で、それ以外の業務を開拓し、収益基盤の強化を図る意向である。


こうした考え方に立って、同社では2020年の創業70周年に向けて、2017年度を初年度とする第5次中期経営計画を推進中であり、引き続き証券市場の発展に貢献する計画である。


2. 具体的な戦略
第5次中期経営計画の柱となる具体的な戦略は、以下の7つである。


(1) 証券市場のインフラとしての貸借取引業務の強化
株式市場を取り巻く環境変化に適切に対応し貸借取引業務の安定的な運営及び利便性向上を図る。
また、市場参加者の動向を的確に把握し、貸借取引の利用促進を図るとともに、制度信用・貸借取引にかかる情報発信を強化し、投資家のすそ野を拡大する。


具体的な取り組み例としては、株券調達力の向上に加え、貸株の利用促進を図るため、国内大手や外資系証券をターゲットとした品貸取引に関する提供情報の拡充を行っている。
また、信用取引・貸借取引制度に関するセミナー・勉強会を証券会社向けに開催し、普及促進を図っている。
さらに、貸借銘柄の拡大を図るため、発行会社へのアプローチ方法を改善している(証券会社のIPO担当部門への信用取引・貸借取引制度の理解促進を図るなど)。


(2) 内外の金融商品取引業者等への柔軟な対応
既存取引先の海外法人を始めとした非居住者との直接取引の拡大を図るとともに、外国有価証券の担保受入により取引拡大を目指すなど、内外の金融商品取引業者等との多様な取引に積極的に対応し、収益機会の拡大を図る。
また、有価証券の決済期間短縮化に伴う新たな取引ニーズに積極的に応え有価証券貸付業務の拡大を図る。


具体的な取り組みとしては、外国有価証券を担保とした資金の貸付け、外国有価証券の貸付けを実施した。
また、海外の金融機関と国際的な標準契約書による貸株・借株契約を締結した。
さらに、国債・株式の決済期間短縮化に伴う新しいニーズへの対応を行っている(国債:現先取引方式での債券レポ取引への移行に対応。
株式:フェイルカバーニーズへの対応として株券調達力の向上、新スキームの検討)。


(3) 新規業務の開発
証券金融会社としての業歴を背景とした同社の特長を生かし、内外の関係先やグループ会社との連携のもとで、長期的視野に立って新規業務を開発する。


具体例としては、インドネシアでの証券金融会社の設立支援(技術的支援)活動など、アジアを中心とした海外の金融・証券市場関係者と連携しながら、新規業務の開発や既存業務の拡充を図っている。


(4) 資金の効率的活用としての有価証券運用の多様化
外部環境の変化に対し、適切なリスクコントロールのもと、機動的にポートフォリオの見直しを実施することで、安定した収益を確保する。
また、外国国債など外貨建て有価証券による運用拡大や、外貨を利用したビジネス展開をサポートするため、外貨調達手段の整備を進める。


(5) グループ連携の強化
子会社を中心とするグループ会社との連携を強化し、多様化する取引ニーズに積極的に対応する。
また、同社及び子会社の一体的な取り組みによりグループ全体としての収益基盤を一層強固なものとする。


(6) 業務運営管理体制の強化
同社に求められている社会的要請に積極的に対応し、企業理念を実現していくため、コンプライアンスを経営の前提と位置付けていることを改めて確認する。
同社に対する揺るぎない社会的信頼を確立するため、内部監査の実効性を確保し、金融業務に付随するリスクの多様化・複雑化に対応してリスク管理の一層の充実を図る。
重大な災害発生時においても最重要業務である貸借取引業務を継続するため、金融・証券業界の動向を注視しながら、遠隔地バックアップ態勢の整備を推進する。


具体例としては、サイバーセキュリティ対策強化の取り組みを継続中である。


(7) 働きやすい職場環境の整備と企業活力の向上
働きがいがあり、かつ、働きやすい職場環境を整備することにより、職員一人ひとりの生産性を高め、企業活力を向上させる。


3. 計数目標の必要性
以上のとおり、同社の中期経営計画は定性的な目標であり、収益や利益などの定量的な計数目標は示されていない。
確かに、同社の収益の大半を占める貸借取引業務は、株式市場の状況や金融環境の影響を受けて大きく振れることから、3年先の収益目標を示すことが難しいのは理解できる。
ただし、投資家が同社の将来像を共有し、毎期の進捗状況を確認するためにも、収益や利益などの数値でなくても何らかの計数目標を示すことは有意義であると弊社では考える。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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