■トピックス
2. 選挙システム機材事業と国民投票
過去のレポートで繰り返して説明してきたが、ムサシ (T:7521)は選挙関連の機材・資材・サービスを総合的に提供するトップ企業であり、事業部門の中心的製品である投票用紙の自動読取分類機の市場では、シェア約80%と他を圧倒するポジションにある。
そのため、選挙関連事業を担う選挙システム機材事業の売上高は、国政選挙の有無で大きく変動する傾向がある。
同社は選挙機器についてはグループ内の子会社で製造しているため、選挙システム機材事業の収益性は、他の事業部門に比較して高い。
したがって、売上高の変動は利益にも明確に反映されている。
同社の他の事業部門は比較的安定的な業績推移を示すことが多いため、選挙システム機材事業の収益変動は、そのまま同社全体の収益変動(特に利益変動)につながる傾向にある。
国政選挙と並んで弊社が期待しているのが国民投票だ。
先日の衆院選の結果を受けて、憲法改正とそれに際して行われる国民投票が一段と現実味を帯びてきている状況だ。
同社自身は国民投票の収益インパクトについては、実施された経験がないため想定が難しいものの国政選挙並みのビジネスチャンスと考えている、としている。
それに対して弊社では、国政選挙をはるかにしのぐ可能性があると考えている。
あくまで大枠の考え方でしかないが、いくつか理由を挙げることができる。
まず国政選挙同様、国からの予算が付くことになると考えられる。
過去の例から見て、初回の時は予算が厚めに配分される傾向がある。
また、改正案ごとに1人1票の投票を行うことも重要なポイントだ。
これは投票用紙の需要に直接的な影響を及ぼすのはもちろんだが、最大の収益源である読取分類機への需要にも影響を及ぼす。
改正案の数が多ければ開票作業はそれだけ増えるためだ。
さらに、通常の国政選挙に比べて国民の関心が高まり、投票率が上昇することも想定される。
これも“投票数増加⇒開票作業量増加”となり、読取分類機の需要に跳ね返ることになる。
その自動読取分類機は、全国の1,741自治体のうち約700の自治体が未導入だ。
国民投票をきっかけに導入に踏み切る自治体が出てくることは当然想定される。
また、既導入自治体においても追加導入や更新需要などが期待される。
さらに重要なポイントは、国民投票は国政選挙と同時には実施されないであろうということだ。
衆参同日選の場合、需要規模において1+1が2にならず1.2~1.5程度にとどまってしまう。
国民投票の場合もそれは同じだ。
しかし国政選挙と国民投票は目的がまったく異なるため、同時実施には適切ではないと判断されると弊社ではみている。
その結果として、国民投票実施による収益インパクトをフルに取り込めることになると弊社では期待している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
2. 選挙システム機材事業と国民投票
過去のレポートで繰り返して説明してきたが、ムサシ (T:7521)は選挙関連の機材・資材・サービスを総合的に提供するトップ企業であり、事業部門の中心的製品である投票用紙の自動読取分類機の市場では、シェア約80%と他を圧倒するポジションにある。
そのため、選挙関連事業を担う選挙システム機材事業の売上高は、国政選挙の有無で大きく変動する傾向がある。
同社は選挙機器についてはグループ内の子会社で製造しているため、選挙システム機材事業の収益性は、他の事業部門に比較して高い。
したがって、売上高の変動は利益にも明確に反映されている。
同社の他の事業部門は比較的安定的な業績推移を示すことが多いため、選挙システム機材事業の収益変動は、そのまま同社全体の収益変動(特に利益変動)につながる傾向にある。
国政選挙と並んで弊社が期待しているのが国民投票だ。
先日の衆院選の結果を受けて、憲法改正とそれに際して行われる国民投票が一段と現実味を帯びてきている状況だ。
同社自身は国民投票の収益インパクトについては、実施された経験がないため想定が難しいものの国政選挙並みのビジネスチャンスと考えている、としている。
それに対して弊社では、国政選挙をはるかにしのぐ可能性があると考えている。
あくまで大枠の考え方でしかないが、いくつか理由を挙げることができる。
まず国政選挙同様、国からの予算が付くことになると考えられる。
過去の例から見て、初回の時は予算が厚めに配分される傾向がある。
また、改正案ごとに1人1票の投票を行うことも重要なポイントだ。
これは投票用紙の需要に直接的な影響を及ぼすのはもちろんだが、最大の収益源である読取分類機への需要にも影響を及ぼす。
改正案の数が多ければ開票作業はそれだけ増えるためだ。
さらに、通常の国政選挙に比べて国民の関心が高まり、投票率が上昇することも想定される。
これも“投票数増加⇒開票作業量増加”となり、読取分類機の需要に跳ね返ることになる。
その自動読取分類機は、全国の1,741自治体のうち約700の自治体が未導入だ。
国民投票をきっかけに導入に踏み切る自治体が出てくることは当然想定される。
また、既導入自治体においても追加導入や更新需要などが期待される。
さらに重要なポイントは、国民投票は国政選挙と同時には実施されないであろうということだ。
衆参同日選の場合、需要規模において1+1が2にならず1.2~1.5程度にとどまってしまう。
国民投票の場合もそれは同じだ。
しかし国政選挙と国民投票は目的がまったく異なるため、同時実施には適切ではないと判断されると弊社ではみている。
その結果として、国民投票実施による収益インパクトをフルに取り込めることになると弊社では期待している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)