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日経平均は反発、トヨタ自上昇は明るい材料だが上値追い機運乏しく

発行済 2018-05-10 12:24
更新済 2018-05-10 12:33
日経平均は反発、トヨタ自上昇は明るい材料だが上値追い機運乏しく
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 日経平均は反発。
37.57円高の22446.45円(出来高概算7億7000万株)で前場の取引を終えている。


 9日の米国市場でNYダウは5日続伸し、182ドル高となった。
原油価格の上昇を受けて石油株が買われたほか、米国債利回りが再び3%を突破したことで金融株にも買いが広がった。

円相場は1ドル=109円台後半まで下落しており、本日の日経平均は米株高や円安を好感して73円高からスタートした。
前日の取引時間中に決算発表したトヨタ自 (T:7203)の株価上昇が続いていることも安心感につながり、日経平均は朝方に22530.64円(121.76円高)まで上昇する場面があったが、上値では利益確定の売りが出て伸び悩んだ。


 個別では、トヨタ自が売買代金トップとなり、2%超高で前場を折り返した。
決算を受けて証券各社の目標株価引き上げが相次いでいる。
前日引け後に決算発表した銘柄では、昭電工 (T:4004)、三菱自 (T:7211)、IHI (T:7013)などが大きく買われた。
その他売買代金上位では、武田薬 (T:4502)、東海カーボ (T:5301)、SUMCO (T:3436)の上げが目立つ。
一方、任天堂<
7974>やファナック (T:6954)が軟調なほか、ソフトバンクG (T:9984)も決算にサプライズなしとの見方から利益確定売り優勢となった。
サイバー (T:4751)も下げが目立つ。
市場予想を下回る今期業績見通しのシスメックス (T:6869)は商いを伴って8%超下落した。
セクターでは、鉱業、石油・石炭製品、輸送用機器などが上昇。
反面、空運業、パルプ・紙、その他金融業などが軟調だった。


 トヨタ自の堅調決算は明るい材料だが、米中通商問題の長期化、中東情勢の悪化やそれに伴う原油価格の上昇などが懸念されており、世界経済や企業業績の先行き不透明感は依然として強い。
週末にかけてまだ多くの決算発表が予定されているだけに、日経平均は節目の22500円水準を上抜けできずにいる。
全体としての方向感は定まっておらず、決算を受けた個別対応中心の展開が続きそうだ。


 新興市場ではマザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに続落している。
週前半は幕間つなぎ的な物色が入り比較的堅調に推移していたが、決算発表の第2のピークを迎え投資家の関心は再び大型株に向かいやすいだろう。
マザーズ市場では直近IPO銘柄の下値模索が続いていることや、決算発表による材料出尽くし感から大きく売られる銘柄が目立つ点もやや気掛かりだ。
日経平均に比べ出遅れ感は強いが、やはり本格的な出直りには決算発表一巡を待つ必要がありそうだ。

(小林大純)

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