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クイック Research Memo(3):2018年3月期は2ケタ増収増益でピーク更新

発行済 2018-06-06 15:03
更新済 2018-06-06 15:20
クイック Research Memo(3):2018年3月期は2ケタ増収増益でピーク更新
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■業績動向

1. 2018年3月期の業績動向
クイック (T:4318)の2018年3月期業績は、売上高16,775百万円(前期比15.1%増)、営業利益2,198百万円(同10.0%増)、経常利益2,300百万円(同10.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,627百万円(同17.0%増)と、8期連続の増収増益を達成するとともに、売上高・利益とも過去最高を更新した。
また、期初の予想に対して、売上高で675百万円、営業利益で28百万円の超過達成となった。
なお、2017年8月に子会社化した英国Centre People Appointments LTD.の業績は、第3四半期から連結業績に含めている。


国内の雇用情勢は、好景気による人材需要増や少子高齢化に伴う労働力不足などから、サービス業や運輸業、建設業ほか各分野で一段と深刻化、2018年3月の有効求人倍率(季節調整済値)は1.59倍、正社員有効求人倍率(季節調整済値)も1.08倍と引き続き高い水準で推移した。
また、各企業は「働き方改革」によって残業減少を推進しているが、残業減少は生産性の向上だけではカバーできないことが多く、結局は採用を増やさざるを得ない。
また、女性やシニア人材の活用、賃上げに取り組む企業も増えてきたが、依然として人手不足の抜本的な解消には至っていない。
このような好環境下で、同社は、特に人材の不足感が強く採用も難しい専門職領域の人材紹介と人材派遣を積極的に展開、加えて採用コンサルティングや求人広告を強化することで、他社との差別化や顧客満足度の向上に徹底的に取り組んだ。
一方、同社内においても、待遇改善や優秀な人材の積極採用など、将来の成長をにらんだ人材への先行投資を拡大し、事業基盤の強化を推進している。


人材サービス事業は、売上高9,915百万円(前期比21.6%増)、営業利益1,735百万円(同16.3%増)と好調に推移した。
人材紹介では、建設・土木業や製造業など一般企業、病院や介護施設など医療施設の採用ニーズが引き続き高い水準で推移し好調を持続した。
最近では、医薬品のMRや自動車向けの自動運転IT技術者、化粧品の開発者などと専門職の範疇も拡大している。
このため、各領域における運営サイトやサービスの拡充を図るとともに、競合他社との競争激化が進む登録者獲得については引き続きプロモーションの強化を行った。
人材派遣においては、雇用環境改善に伴い企業にとって正社員など直接採用の難易度が高まっていることから、派遣を活用するニーズが強まった。
このため、専門性を要するIT・Web関連職種以外にもオフィスワークを中心にパートタイム派遣が伸長、医療・福祉分野へのスタッフ派遣や保育士派遣についても引き続き順調に推移した。
なお、人材紹介でのプロモーション強化、待遇改善などによる人件費増など先行的なコストが増加しており、営業利益は売上高ほどの高い伸びにはならなかった。


リクルーティング事業は、売上高3,693百万円(前期比3.3%増)、営業利益は881百万円(同2.4%減)とやや低調であった。
人手不足に伴う企業の採用ニーズの高まりを受け、中途採用において、正社員から派遣スタッフ・アルバイト・パートに至るまで求人広告が堅調に推移した。
新卒採用においても、学生優位の売り手市場を背景に2019年3月卒業予定の大学生向け新卒採用広告や、合同企業説明会などイベント出展に関する取り扱いが拡大した。
また、求人広告以外についても、採用サイトや会社パンフレットをはじめとする採用ツールの取り扱いが順調に推移した。
一方、売上増に伴う原価増加、待遇改善などによる人件費などコスト増加に加え、大手取引先リクルートからのインセンティブ収入の減少もあって営業減益となった。


情報出版事業は、売上高1,762百万円(前期比1.8%減)、営業利益3百万円(同95.0%減)となった。
折り込みチラシなどのポスティングサービスや住宅情報誌等は堅調だったが、主力の生活情報誌の後退や一部媒体の統廃合、北陸新幹線の効果一巡により売上はほぼ横ばいに止まった。
ただし、石川エリアにおいては、飲食店やショップなどの集客のためのタウン広告の取り扱いが好調だったことで、生活情報誌の業績も上向いてきたようである。
また、高岡営業所(富山県)の開設や、地元編集者が厳選した金沢の最新情報を毎日配信するWebメディア「週末、金沢。
」のリリースなど、新たなマーケットの開拓にも積極的に取り組んだ。
しかし、売上が伸び悩んだことに加え人件費も高まったことから営業減益となった。


その他の事業は、売上高1,404百万円(前期比33.4%増)、営業利益198百万円(同9.0%増)となった。
ネット関連事業と海外事業の売上高シェアはおよそで半々となった。
ネット関連事業では、少子高齢化による人手不足や企業の「働き方改革」に向けた動きを背景に、人材採用や育成、福利厚生の充実、生産性の改善など、企業の人事戦略をサポートするHR(Human Resources)ソリューションビジネスへの関心が高まっている。
このため、新規参入など競争は激化しているものの、日本最大級の人事イベント「HRカンファレンス」とHRテクノロジーに特化した「HR Technologyカンファレンス2017」の同時開催や、企業の枠組みを越えて人事担当者が学び合う「HRコンソーシアム」の開催などイベントを積極展開し、No.1HRサイトとして「日本の人事部」ブランドのさらなる浸透を図ったことにより、「日本の人事部」の広告収入は順調に推移した。


海外事業では、米国において、日英バイリンガル人材の登録者獲得競争が激化している。
しかし、雇用情勢の改善や外国人就労ビザ取得の厳格化などから売り手市場の流れが変わらなかった上、登録サイトのスマートフォン対応やデザインリニューアルなどもあって、人材紹介と人材派遣はともに順調に拡大した。
上海においては、経済の停滞感から企業の採用マインドは上向かなかったが、適正報酬の分析や人材育成のための研修など人事労務コンサルティングは堅調に推移した。
新規連結対象組では、メキシコで引き続き自動車関連メーカーなどの求人ニーズが強く、英国では人材紹介、人材派遣ともに堅調に推移した。
米国の好調に加え、メキシコと英国の連結効果により、海外事業は増収増益を確保したと思われる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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