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UTグループ Research Memo(7):2019年3月期も事業拡大に死角なし、中期経営計画を超過達成の勢い

発行済 2018-06-21 16:13
更新済 2018-06-21 16:20
UTグループ Research Memo(7):2019年3月期も事業拡大に死角なし、中期経営計画を超過達成の勢い
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■今後の見通し

● 2019年3月期の通期業績見通し
UTグループ (T:2146)の2019年3月期は、売上高が100,000百万円(前期比22.3%増)、営業利益が7,000百万円(同34.7%増)、経常利益が6,900百万円(同32.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が4,480百万円(同26.7%増)と、2ケタの増収・増益を見込む会社計画となっている。


2019年3月期についても、継続的な人手不足から多くの分野で人材需要が大きい。
また改正労働者派遣法や改正労働契約法など、法改正等の影響が同社にとって有利に働く状況が今後も継続する、としている。


2015年9月施行の改正労働者派遣法は、従来の派遣期間の制限の見直しなど派遣事業者への規制強化となるものだが、同社のような正社員で無期雇用派遣の場合は期間制限がないため、顧客企業側からのニーズが高くなる。
同様に、2013年4月施行の改正労働契約法は、有期契約社員使用への規制強化となっており、こちらは派遣利用への切り替えニーズが生じている。
これらの法改正により、無期雇用派遣への社会的ニーズが非常に高まっており、これに対応できない中小の派遣事業者が淘汰されつつある状況となっている。
この流れは少なくともここ数年間続くと思われ、同社にとっては追い風となっている。


後述する中期経営計画における進捗状況を見ると、2018年3月期で売上高を除く各経営指標は既に中期経営計画を超過達成するペースで伸長しており、2019年3月期もこの傾向は変わらない。
さらに、M&Aや予算値に織り込まれていないソリューション事業の拡大が順調であれば、売上高についても中期計画目標値をも超過達成する可能性もあるとみる。


事業戦略については、各事業セグメントが有機的に連携することから、セグメント別ではなく、「モノづくり分野のキャリアプラットフォーム」という人材育成や従業員満足度の向上を中核にした目標を掲げている。
その上で、各セグメントとのつながりを意識して、(1)製造業派遣領域で圧倒的No.1の確立、(2)社員の付加価値向上、という施策を立てている。
これは、後述する中期経営計画の2大カスタマー戦略に沿ったものでもある。


(1) 製造業派遣領域で圧倒的No.1の確立
以下の施策によって、製造派遣領域で圧倒的No.1を目指す戦略である。


a) 規模を生かしてシェア拡大
既に製造業派遣領域で同社はトップシェアを確立しているが、その強みを生かして更なるシェア拡大を図る。
2018年3月期で月間1,000名採用体制を築き上げたが、その体制の安定化を図る。
また、海外進出企業の技能実習制度導入支援などを行い、人材採用の多様化やグローバル対応を図る。
担当子会社として、大企業レベルでのトップシェアを目指すのがUTエイム、中堅成長企業でのトップシェアを目指すのがUTコミュニティ、海外進出企業の支援を行うのがUTグローバルである。


b) 構造改革需要の取り込み
製造大企業グループとの関係強化を図り、構造改革となるインハウスソリューションや余力人材の活用支援を進める。


(2) 社員の付加価値向上
新入社員などに対するコンサル体制を充実させ定着率の向上を図る。
キャリアアップ先企業の拡大やジョブグレード制度導入の拡大によって、キャリア形成の幅を拡大・支援を行う。
ここでは、2017年3月期に開設したUTACCなどエンジニア育成施設を積極活用して職業訓練プログラムを充実させる。
グループ内転職や顧客企業への紹介促進を行うことで、働く人の価値向上を図る。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)

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