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シャノン Research Memo(6):2018年10月期はMAツールの顧客獲得動向が計画達成のカギを握る

発行済 2018-07-18 15:06
更新済 2018-07-18 15:20
シャノン Research Memo(6):2018年10月期はMAツールの顧客獲得動向が計画達成のカギを握る
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■今後の見通し

1. 2018年10月期の業績見通し
シャノン (T:3976)の2018年10月期の連結業績は売上高で前期比21.9%増の1,934百万円、営業利益で9百万円(前期は48百万円の損失)、経常利益で6百万円(同62百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で0百万円(同326百万円の損失)と期初計画を据え置いた。
第2四半期までの進捗率は売上高で43.8%と50%を下回って推移していることから、下期で挽回が利かなければ通期も下振れする可能性も考えられるものの、MAツールの新規顧客獲得ペースを加速していくことで計画に少しでも近づけていく考えだ。
また、営業利益に関しては中途採用者数が期初計画(年間15名を計画)を下回っており、人件費が少なくなるほかその他経費を絞り込むことで黒字化を目指していく。
例年、閑散期となる第3四半期にどの程度、MAツールの顧客獲得が進むかが計画達成の鍵を握ると弊社では見ている。


部門別売上高については、MAサービスで前期比25.8%増の1,395百万円、EMサービスで同12.9%増の538百万円といずれも2ケタ増収を見込んでいる。
ただ、MAサービスについては第2四半期までの通期計画に対する進捗率が40.8%と低く、下振れする可能性も考えられる。
サブスクリプション売上は新規顧客の開拓による売上の積み上がりにより、通期では前期比16%増の730百万円となる見通し。
新規顧客の開拓ペースを今後加速化していくことで、期初計画の777百万円に少しでも近づけていく。
一方、プロフェッショナルサービス売上については、前期比1割増の500~600百万円程度にとどまる見通し(期初計画は617百万円)。


MAサービスにおける契約アカウント件数の目標は公表していないが、前年同期比20百万円増でサブスクリプション売上を積み上げていく計画となっていること、月額課金収入のボリュームゾーンが10~20万円/件で平均売上単価は同水準よりも若干高いことなどから試算すると、2018年10月期末時点のアカウント件数は前期末比で80~100件増で見込んでいるものと見られる(前期末は337件)。
第2四半期末のアカウント件数は前期末比16件増の353件と増加ペースは緩やかだが、増加ペースは加速しつつある。
中規模案件専用の営業部隊の組織が整備され、営業ツールや教育研修実施による成果が出始めており、今後も営業人員のスキルアップを図っていくことで顧客開拓ペースを加速し、また、サポート体制の拡充による解約防止対策も強化していくことで計画達成を目指していく方針となっている。


一方、EMサービスについては第2四半期までの進捗率が51.7%と期初計画を上回って推移している。
イベントプロデュース関連の受注が堅調に推移していることが要因で、通期も計画をやや上回る可能性が高い、

期初計画では、売上総利益率で前期比3.9ポイントの上昇を見込んでいた。
収益源となるMAサービスの増収効果に加えて、減価償却費が前期比30百万円強減少することが改善要因となる。
ただ、MAサービスの売上げが計画を下回る可能性があり、売上総利益率も計画比で若干低下するものと見られる。
販管費は前期比22.7%増の1,127百万円を見込んでいる。
第2四半期までの進捗率は46.3%とやや計画を下回っており、通期でも人件費やその他経費を抑制することで計画を下回るものと見られる。
販管費の増加要因の大半は人件費となっており、その他では広告宣伝費が同10.9%増の78百万円、支払手数料が同24.1%増の62百万円と見込んでいる。
人員については前期末比25名前後増を予定(うち、新卒社員は11名)しているが、予算の中に退職者分をどの程度織り込んでいるかは不明確であり、実際は計画よりも下回る可能性が高い。
また、広告宣伝費は、人員増加に伴い必要とされるリードも増えるため、それに合わせてマーケティング予算も増やす格好になっている。
また、「シャノンマーケティングプラットフォーム」の顧客向けカンファレンス「SHANON USER Conference 2018」を2018年6月に開催しており、同開催費用も若干の増加要因となる。
今回は第2回目のカンファレンスとなり、前年を上回る来場者を集めたようだ。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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