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イーストン Research Memo(7):2019年3月期はセンサーモジュール量産に向けた技術開発に資金を投下予定

発行済 2018-07-19 15:57
更新済 2018-07-19 16:00
イーストン Research Memo(7):2019年3月期はセンサーモジュール量産に向けた技術開発に資金を投下予定
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■今後の見通し

1. 2019年3月期通期見通し
2019年3月期通期についてルネサスイーストン (T:9995)は、売上高84,400百万円(前期比3.4%増)、営業利益1,115百万円(同44.0%減)、経常利益1,230百万円(同41.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益880百万円(同29.9%減)を予想している。


売上高の製品別内訳を見ると、集積回路(このほとんどはルネサスエレクトロニクス製品と重なる)については0.4%増と微増収を予想している。
これは、製品のライフサイクルに伴う切り替えにより、ボリュームゾーンの製品が減少し、先端マイコンが増加するという入り繰りの結果とみられる。
一方、半導体素子や表示デバイスなどは好調な需要を反映して前期比10%以上の伸びを予想している。


利益面では、経常利益について前期比875百万円(41.6%)の減益を予想している。
その内訳として、売上総利益が前期比5.1億円の減益を予想している。
これは増収に伴う増益効果が2.8億円あるのに対して、売上総利益率低下による減益要因として7.9億円を見込んでいるためだ。
売上総利益率の低下の理由について、同社は高粗利品のメーカーEOLによる製品ミックスの悪化と仕入れ価格の上昇を理由に挙げている。
販管費は前期比3.7億円の増加が計画されている。
この大部分はセンサーモジュールの量産に向けた研究開発投資の模様だ。
これらの結果、営業利益、経常利益はともに、前期比8.8億円の減益となる見通しだ。


2019年3月期の会社予想について、弊社では利益見通しが控え目という印象を有してはいるが、現時点で上振れ期待を持つことは避けるべきと考えている。
会社予想から逆算すると、今期の売上総利益率は前期実績から1.0%ポイント程度の低下を想定していると見られる。
弊社では前期の改善分(0.5%ポイント)がはげ落ちる程度にとどまるのではないかとみている。
しかしながら、一方でセンサーモジュールに関する研究開発費が想定以上に膨らむ可能性はあると見ている。
商社である同社がメーカーに挑戦することは、必ずしも簡単なことではないと考えられるためだ。
結果的に、利益水準は会社予想の線で推移することをメインシナリオとして考えておくべきと弊社では考えている。


2019年3月期予想についてのもう1つのポイントは、減益は一時的なものであり、2020年3月期には増益に転じる可能性が高いと考えらえることだ。
仕入価格の上昇はタイムラグを伴いつつもいずれは販売価格に転嫁されると弊社では見ている。
仮に同社の予想どおり2019年3月期に減益となれば、その分だけ2020年3月期は増益要因となるということだ。
また、自動車、産業などのメイン市場は好調が持続する可能性が高いと弊社ではみている。
加えて、2020年3月期の下半期からはセンサーモジュールの量産出荷がスタートする計画だ。
初年度で収益貢献は限定的と考えられるが、利益率が高いと見られるため、利益貢献度は目に見える水準に達する可能性もある。



2019年春に新中期経営計画を公表予定。
センサーモジュール事業の業績への織込み方に注目
2. 次期中期経営計画の考え方
現行中期経営計画Project“C”は2019年3月期で終了するため、同社は2019年5月に予定される決算発表に合わせて新しい3ヶ年中期経営計画(2020年3月期−2022年3月期)を公表するとみられる。
次期中計の業績計画にはセンサーモジュールの製造販売という新規事業の収益貢献が反映されてくるとみられる。


センサーモジュールの量産が予定どおり立ち上がり、期待どおりの収益性を実現できた場合には、2021年3月期以降の利益水準は現状とは大きく変わったものとなるだろう。
ポイントは、新3ヶ年中期経営計画は2019年3月期中に策定されるということだ。
量産準備の進捗を横目に見ながら計画が策定されるため、成功への自信度が業績計画に反映されてくるのではないかと弊社ではみている。
前述のように、量産開始は来下期であり、来期期初に発表される新中期経営計画の業績計画が事業の成功可能性を示唆するものになるのではないかと弊社では注目している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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