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シノケンG Research Memo(5):不動産販売事業をコア事業に、M&Aを活用しながら周辺事業領域を拡大中(4)

発行済 2018-10-04 16:59
更新済 2018-10-04 17:00
シノケンG Research Memo(5):不動産販売事業をコア事業に、M&Aを活用しながら周辺事業領域を拡大中(4)
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■会社概要

3. ビジネスモデルと強み
(1) 土地を持たないサラリーマン・公務員層をターゲットとした投資用アパート経営のパイオニア
アパート経営と言うと地主が相続税対策や遊休資産の活用のために行うものというイメージが強く、実際、大手ハウスメーカーや大東建託(株) (T:1878)などでは地主に対し、そのような提案をし、アパート建築を請負っている。
こうしたなか、シノケングループ (T:8909)では土地を持たず自己資金も少ない普通の会社員、公務員層を主要ターゲットに、老後に向けた資産形成の一手段として土地付きアパートを提案するという業界の常識を覆す独自のビジネスモデルを展開してきた。
地主向けのアパート建築請負も地主から特に要望があった場合などに限り行っているが、年に数棟程度に過ぎない。
経営資源の効率活用の観点から、同社から地主に積極的に営業をかけることはしていない。


(2) 約28年のトラックレコードを背景に競争優位性を維持
土地から購入してアパート経営が成立するのかという疑念が持たれるところだが、創業来約28年にわたり、同社グループが販売してきた5,000棟以上のアパートで経営破綻を起こしたことは一例もない。
高い入居率を維持してきたこと、アパートローンは変動金利だが、創業来、総じて低金利が続いてきたことなどによる。
高い入居率の維持を可能としているのは、1)全国主要都市圏の市街地で駅から10分圏で賃貸需要が確実に見込めるエリアに限って物件供給をしてきたこと、2)若年層に訴求するデザイン性に優れた物件を供給してきたこと、3)狭小地や変形地などを生かすプラニング力に優れ(木造はプレハブに比べ土地の形状に合わせて設計しやすい)、比較的用地を安く取得してきたこと、4)大手ハウスメーカーに比べ建築費が安いため競争力の高い家賃設定が可能なこと、などによる。


居住用の住宅ローンと異なり、アパートローンについては、借り手の信用力だけでなく販売会社の実績を金融機関は重視する傾向にある。
こうした約28年にわたるトラックレコードの積み重ねにより、金融機関との提携ローンについても比較的低い利率で顧客に提供することが可能となっている。


土地付きアパート販売の競合会社としては、2016年12月に東証1部に上場した(株)TATERUや、比較的大きな未上場企業、同社グループからスピンアウトした社員が起業した小規模な会社などここ数年で増えてきたが、フロントランナーとしての実績を背景にした複数の金融機関との提携アパートローンによる融資条件や、狭小地や変形地におけるプラニング力の高さなどの点において、同社の競争優位性は高いと判断される。


また、同社では一旦、用地を自ら取得するのに対し、(株)TATERUは自らのB/Sを通さず仲介の形で投資家に土地を紹介している。
B/Sを通すビジネスモデルの方が、当然資金負担は重くなるが、1)迅速な土地仕入れができる、2)土地を分筆して複数棟開発するなど柔軟な企画が可能、3)顧客投資家がアパートローンの審査を否認されたような場合、その後の対応が容易、などの利点がある。


(3) コンプライアンス重視のプル型の営業スタイル
投資用マンションの営業スタイルは、業界では電話営業が一般的となっているが、電話営業は消費者とのトラブルを引き起こしやすいという側面がある。
また、地主向けのアパート建築の営業スタイルは、訪問営業(飛び込み営業)が基本であり、これも過去、度々メディア等で批判にさらされてきた。


これらに対して同社の営業スタイルは、創業時からセミナーの開催やインターネット広告、自社Webサイトを中心としたプル型営業を貫いてきた。
特に、2016年からはテレビCMで俳優の佐々木蔵之介(ささきくらのすけ)氏を起用するなど、メディア戦略を強化したことで認知度も一段と向上し、現在は毎月安定して約3千件の反響を獲得、その中から営業活動を行っている。
また、営業面では競合他社が銀行からの融資を受けやすくするために、投資家の預金残高を改ざんするといった不正問題が発覚したが、同社においては社内の管理体制が機能しており、こうした不正な営業活動は行われていないことも強みと言える。


(4) 販売に比例してストックビジネスが積み上がるビジネスモデル
ストックビジネスのうち、不動産管理関連事業とエネルギー事業は、不動産販売事業で販売するアパートやマンションのオーナーまたは入居者が契約者となるため、販売に連動して自動的に積み上がる仕組みとなっている。
フロービジネスがここ数年高成長を続けているため、これらストックビジネスの伸びが目立たないが、収益は年率2ケタ増収増益ペースが続いている。
このため、市場環境が悪化しフロービジネスの収益が落ち込んだとしても、ストックビジネスについては成長が続くため、業績の下支え役になるものとして期待される。
ちなみに、ストックビジネス(不動産管理関連事業+エネルギー事業+介護事業)の営業利益※に占める構成比を見ると、2018年12月期第2四半期累計は全体の20.9%(前年同期は12.6%)を占めるまでになっている。


※全社費用控除前営業利益

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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