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Jトラスト (T:8508)では2018年3月期には営業利益10,000百万円の達成、IFRSの任意適用及び東証1部指定申請の3つを目標としていたが、そのうちIFRSの任意適用については、既に2018年3月期第1四半期より移行した。
これにより、M&Aに伴い発生する「のれん」が業績に与える影響は低減され、今後は従来以上に積極的にM&Aを実施できるようになるなどメリットは多い。
しかし、2018年3月期はGL関連の損失を被った。
加えて、2019年3月期第2四半期累計期間では、主に東南アジア金融事業において債権格付けの悪化による貸倒引当金繰入額増加などによって、業績は計画を下回って推移している。
今後、Jトラスト銀行インドネシアでは、債権管理部門と回収部門を融合し効率化を図るとともに、営業、審査、回収から成るタスクフォースを組成し、不良債権の抑制や回収強化にあたることで、貸倒引当金戻入益の計上等による業績の回復を計画しているほか、新規貸付においてコマーシャル(法人向け貸付)やSME(中堅・中小企業向け貸付)を抑制すること等により流動性を確保し、高格付社債での運用を図るなど、非貸付利息の増加による収益性の回復も図る計画だ。
また、ネットバンキングの導入による調達金利の低下や、NIM(純利鞘)の上昇、Jトラスト銀行インドネシアとJTOとのシナジー効果等による業績の回復も計画している。
さらに、その他のセグメントでも、計画達成に向け様々な施策を検討していることや、日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業において業績が好調に推移しており今後も好調が続くものと見込まれることから、同社では2019年3月期の連結業績予想については、期初の予想を据え置いている。
セグメント別には、日本金融事業では、信用保証事業と債権回収事業で安定した収益を稼ぎ、前期の41億円の利益から今期は45億円の利益への増益を予想する。
韓国及びモンゴル金融事業では、IFRSや規制強化の影響から、前期の35億円の利益から今期は24億円の利益への減益を予想するものの、事業自体は継続して成長すると見込む。
今期業績予想達成のカギを握る東南アジア金融事業でも、前述の施策によって前期の15億円の利益から今期は26億円の利益への増益を計画している。
また、前期28億円の損失を計上した投資事業でも、今期は5億円の利益への増益を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)