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サンワテクノス Research Memo(6):売上高見通しを下方修正したものの、経常利益予想は期初予想を堅持

発行済 2018-12-14 15:06
更新済 2018-12-14 15:20
サンワテクノス Research Memo(6):売上高見通しを下方修正したものの、経常利益予想は期初予想を堅持
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■今後の見通し

(1) 概況
サンワテクノス (T:8137)は2019年3月期第2四半期決算を踏まえ、2019年3月期通期見通しを一部修正している。
修正予想は、売上高150,000百万円(前期比2.2%増)、営業利益4,400百万円(同6.4%増)、経常利益4,500百万円(同3.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,150百万円(同2.1%増)となっている。


期初予想との比較では、売上高は7,500百万円、営業利益は50百万円、それぞれ下方修正されたが経常利益以下の予想は据え置かれた。


前述のように、売上高の下方修正の主要因は社内消去の金額の拡大だ。
実態的な下方修正要因としては中国や国内における設備投資需要の減退による受注の計画比未達などがあるものの、それらの影響額は下方修正幅の約20%程度と弊社では推定している。
この結果売上高見通しの引き下げによる利益への影響は営業利益段階で50百万円の減額にとどまっており、経常利益以下については期初予想から変更はない。


2019年3月期下期の業績を占ううえで重要な受注高・受注残高を見ると、2019年3月期第2四半期は受注高・受注残高ともに過去最高となった。
これらが下期に売上高に計上されることになる。
また下期の期中受注については、営業の現場からは中国市場の年明けからの回復観測も出てきているもようだ。
これが現実となれば下期の売上高の上振れにも期待が高まるが、中国では2月に春節(旧正月)で2週間ほど経済活動が停滞するため、過度な期待は禁物と弊社は考えている。


需要業界別では引き続き自動車(車載)の伸びが期待される。
同社は主に安全運転支援の領域に部材を供給しているもようだが、この分野は高級車から始まって徐々に搭載される車種が拡大しているため、自動車の総生産台数が多少減少したとしても需要は拡大基調が続くとみられる。
これらの部材の売上高は3事業部門のうち電子部門に計上されることになる。


利益面では、基本的には下期も第2四半期と同様の状況が続くとみられる。
通期予想達成に必要な下期の営業利益は2,271百万円となり、その営業利益率は2.9%となる。
これは第2四半期実績の営業利益率3.0%からわずかに低下する形にとなるが、この点は結果論であって、同社からのメッセージが込められているわけではないと弊社では考えている。


ただし、下期の利益率については慎重に考えるべきだろう。
理由は自動車(車載)向けの売上構成比の上昇が見込まれるためだ。
この分野のビジネスは一般に、利益率が平均よりも低いため、いわゆる製品ミクス悪化による利益率の低下を招く可能性がある。
前述のように売上高に関しては高水準の受注残高と中国市場の早期回復で上振れの可能性も出てきてはいるが、利益については慎重に構えて、まずは会社予想の達成を見守るべきと弊社では考えている。


(2) 部門別見通し
a) 電機部門
通期の売上高予想は27,500百万円(前期比1.2%増)となっている。
期初予想の29,900百万円から2,400百万円引き下げられた。
後述する機械部門同様、社内消去の影響が大きいと弊社ではみている。
第2四半期は国内の半導体業界、FPD関連業界向けに売上を伸ばしたが、下期もその傾向は続くと弊社ではみている。
また、中国での需要が早期に回復した場合には電機部門の売上高が伸びてくるとみている。


b) 電子部門
通期の売上高は109,000百万円(前期比1.3%減)と予想されている。
期初予想からは2,000百万円の減額となっている。
この部門は多種多様な商材を幅広い業界に販売しているため、大きく崩れる可能性は低いと弊社では考えているが、同社の主力顧客業界であるFA・産業機器業界の受注動向が前期比3割減といった報道が目立つ状況を踏まえて下方修正したものと弊社ではみている。
下期だけの比較では前年同期比7.7%の減収予想となっているが、第2四半期の中国企業向け受注実績の動向に照らすと、現時点では妥当な予想と弊社では考えている。
電機部門同様、中国での需要が早期に回復した場合には上振れとなる可能性もあるだろう。


c) 機械部門
通期の売上高は13,500百万円(前期比47.4%増)と予想されている。
期初予想からは3,100百万円の下方修正となったが、これは社内消去の拡大によるものが主因となっている。
同社は自動車関連や食品関連のメーカー向けに大型案件の受注を想定して大幅増収予想としているが、それらについてはほぼ計画どおり商談が進んでおり、失注などの事態は発生していないもようだ。
今後の推移を見守りたい。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

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