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1. 2018年9月期業績
アトラエ (T:6194)の2018年9月期の業績は、売上高が2,306百万円(前期比26.0%増、計画比2.6%増)、営業利益が691百万円(前期比23.4%増、計画比4.0%増)、経常利益が659百万円(前期比18.7%増)、当期純利益が464百万円(前期比17.4%増)と2桁の増収増益を達成した。
主要事業である「Green」については、求人企業と求職者のマッチング効率向上のためのコンテンツの拡充、ビッグデータ解析によるレコメンド精度の向上を始め、登録者数の増加施策として Webマーケティングの強化、求人企業管理画面の改善等、様々な取り組みを行った結果、2018年9月期の入社人数は2,373人(同21.9%増)となった。
これら同社の主要KPI数値が継続的に上昇しており、安定的な成長フェーズに入っている。
サービス別の売上高推移を見ると、「Green」が2,229百万円(前期比22.5%増)、その他新規事業が76百万円(前期比618.6%増)となっており、「Green」の安定成長に加え新規事業「wevox」が躍進したことが確認できる。
2. 2018年9月期の財務状況及び経営指標
2018年9月期末と2019年9月期末の貸借対照表を比べると、新株式の発行に伴う現金及び預金の増加、売上高増加に伴う売掛金の増加などで、総資産が3,753百万円(前期末比1,862百万円増)となった。
負債は、未払金、未払法人税等が増加したことで395百万円(前期末比88百万円増)となった。
純資産は資本金、資本剰余金、利益剰余金の増加により3,357百万円(前期末比1,773百万円増)となった。
自己資本比率は89.5%(前期末比5.7ポイント上昇)となった。
金融機関からの借入もなく、極めて健全な財務体質を実現している。
2019年9月期は「Green」の成長を維持させつつも、新規事業の拡大により事業ポートフォリオの強化を図る
3. 2019年9月期通期見通し
2019年9月期は売上高3,000百万円(前期比30.1%増)、営業利益700百万円(前期比1.3%増)、経常利益690百万円(前期比4.6%増)、当期純利益476百万円(前期比2.7%増)を見込む。
事業拡大及び競争力強化のための人件費増加、「Green」や新規事業拡大のための広告投資を積極的に行うことから、営業利益については前期とほぼ横ばいを見込んでいる。
サービス別に売上高を見ると、「Green」は2,722百万円(前期比22.1%増)、新規事業は277百万円(前期比262.0%増)を見込んでおり、2018年9月期に引き続き、「Green」の安定成長をベースに他サービスの本格的な伸びを図っていく。
2019年9月期の新規事業の売上構成比は10%を見込んでおり、事業ポートフォリオの強化に取り組む。
同社の成長戦略は、確固たる競争優位を持つ「Green」の伸びをベースに、「wevox」、「yenta」のマネタイズを本格化させ、右肩上がりの成長を実現しようと言うものである。
「Green」は確固たる競争優位性とターゲット市場の拡大から2019年9月期も成長が持続する見込みである。
SaaS型サービスである「wevox」については利用者の増加から更なる収益貢献を見込んでいる。
「yenta」については法人向けマネタイズの実証実験は済んでおり、世界観を十分に浸透させ安定的な顧客基盤を整えたのち、2019年9月期以降のマネタイズを計画している。
加えてPeople Tech領域で新規事業への着手も計画しており、更なる成長戦略についても手を打っている。
年間平均離職者数1.6人、平均29.5歳という若くて活気にあふれエンゲージメントが高い同社組織の特性を生かし、勢いをさらに加速させる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行)