16日のダウ平均株価は2日連続で上昇した。米大手金融機関の好調な四半期決算により、市場心理が向上したことに起因している。
ダウ平均株価は0.59%高、S&P 500は0.22%高、ナスダック総合指数は0.15%高となった。
バンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)とゴールドマン・サックス(NYSE:GS)が発表した第4四半期決算では、予想を上回る増収・増益であった。このことから、それぞれの株価は7.2%高、9.6%高となった。さらに、ゴールドマンの上昇により、ダウ平均は116ポイント上昇することとなった。
また、金融セクターの上昇には、ブラックロック(NYSE:BLK)も寄与している。同社の第4四半期決算では、収益と利益が予想を下回ったが、株価は上昇している。
一部の投資家は、同社の魅力的なバリュエーションを考慮して、予想を下回る利益を多めに見ているようだ。
「現在のブラックロックは、2019年の予想EPSに対するPERが14.3倍、配当利回りが3.2%で取引されている。同社はテクノロジーサービスによる収益基盤を成長させ、ETFに対する追い風を受けている。我々は、過去のデータと比較して、同社株は割安であると考えている」とCFRAのインディペンデント・リサーチャーは述べた。
金融セクターは2.20%高で、昨年の約15%の下落を回復し続けている。
一方、ユナイテッド・コンチネンタル(NASDAQ:UAL)は、15日(現地時間)の市場閉場後に公開された四半期決算において、予想を上回る増益であり、同社株は6%以上上昇した。アメリカン航空グループ(NASDAQ:AAL)とサウスウエスト航空(NYSE:LUV)も高値で大引けを迎えた。
しかし、一部の小売業者にとっては逆境が続いている。ノードストローム(NYSE:JWN)は軟調な既存店売上高を発表し、ゴールドマン・サックスが同社株を「買い」から「中立」へ格下げした。このことから、同社株は4.8%下落した。
ゴールドマンは、ノードストロームのホリデーシーズンの売上は、同社の著しい衰退を裏付けたと述べ、懸念されていた低い入店客数を引き合いに出した。
大半の小売りセクターでの好調な収益と安定的な見通しは、株式市場の上昇を牽引している。しかし、FRBのベージュブックによると、小売り業者は利ザヤを縮小させる原価の上昇から、影響を受けつつあるようだ。
「原材料費や運送費の高騰がコストの上昇要因として報告されている。また、多くの地域では関税の上昇も要因として報告されている」とベージュブックには記述されている。
また、ブルームバーグ社は、米連邦検察当局がファーウェイ・テクノロジーを企業秘密窃盗の疑いで調査していることを報じた。その後、米中緊張への懸念から、株式市場での全面的な上昇は限定的なものとなった。
本日のS&P500上昇率/下落率ランキング
上昇率トップ3
下落率ワースト3