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スカラ Research Memo(6):2019年6月期業績はもう一段の増額余地あり

発行済 2019-03-15 15:16
更新済 2019-03-16 18:18
© Reuters.  スカラ Research Memo(6):2019年6月期業績はもう一段の増額余地あり
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■業績見通し1. 2019年6月期の業績見通しスカラ (T:4845)の2019年6月期の連結業績は、売上収益が前期29.4%増の16,600百万円、営業利益が同29.3%増の2,000百万円、税引前利益が同29.6%増の1,990百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同25.9%増の890百万円と2ケタ増収増益となる見通しで、前回の会社計画から売上高、利益ともに上方修正された。

第2四半期までの業績が計画を上回ったことが主因となっている。

第2四半期までの通期計画に対する進捗率は、売上高で50.6%、営業利益で56.8%となる。

下期の営業利益が864百万円と上期の1,135百万円に対して減少する計画となっているが、これはソフトブレーンの2019年12月期第2四半期(2019年1月-6月)の営業利益計画が470百万円(前年同期比1.9%増)と2018年12月期下期の772百万円から落ち込む計画となっていることが影響している。

ソフトブレーングループを除いた営業利益では395百万円と、上期の363百万円から更に増加する見通しだ。

ソフトブレーングループの業績計画は、2018年1月に発表した中期経営計画の数値を踏襲したものとなっており、ソフトブレーンの2018年12月期業績が計画を上回ったことや足元の受注環境を考慮すれば、2019年6月期下期の業績も計画を上回る可能性が高い。

また、SaaS/ASP事業についてもレオコネクトやコネクトエージェンシーとのシナジー効果が期待できることから、2019年6月期業績が会社計画を上振れる可能性は高いと弊社では見ている。

レオコネクト、コネクトエージェンシーとの協業によって、数千社に上る光通信グループ、関連企業の顧客開拓を進める2. 事業別見通し(1) SaaS/ASP事業SaaS/ASP事業の売上高は前期比20%前後の増収を見込んでいる。

引き続き「iシリーズ」のクロスセルや新規顧客の開拓に取り組み、月額課金収益の積み上げを図っていくほか、一時金売上についても第3四半期に損害保険ジャパン日本興亜向けの新規開発案件が貢献する見込みとなっている。

また、コネクトエージェンシーのクラウドPBXサービスが加わることも増収増益要因となる。

2019年6月期第3四半期までは管理コストが二重に発生するため利益率もやや低いが、第4四半期以降はこうした問題が解消されるため利益率も上昇する見通しとなっている。

特に、下期以降はレオコネクトやコネクトエージェンシーとのシナジー効果が期待される。

レオコネクトはインバウンドを主体としたコールセンターのサービス品質向上を目的としたコンサルティングを展開し、コネクトエージェンシーはアウトバウンドコールで営業を行う企業やコールセンター向けにクラウドPBXサービスを提供しており、いずれも光通信グループ及びその代理店を顧客としている。

同社がこれら顧客向けに提供できる商材として「i-livechat」「i-assist」「IVR」「i-ask」などがあり、共同提案することでこれらサービスの導入顧客数増加が見込めるためだ。

前述したように既にレオコネクトとの共同提案による成果は出始めている。

レオコネクトには、既に同社から営業スタッフ1人が常駐しているほか、担当役員1人も週の半分を共同提案プロジェクトに充当している。

販売手法も従来は個別の商材を相手のニーズをヒアリングしながら提案していくスタイルであったが、新たに有力なサービスを複数まとめてパッケージ販売する方式を導入し、効率的に収益を拡大していく戦略となっている。

まずはレオコネクトやコネクトエージェンシーの顧客に対して営業活動を進めていく格好となるが、光通信グループの企業数は200〜300社、代理店など非出資企業も含めると全国で数千社あるとみられ、これらが同社の有力な見込み顧客となる。

なお、「i-ask」や「i-assist」を導入することでインバウンドコールのコールセンターを主にコンサルティング業務を行うレオコネクトにとっては、コール件数が減少することになり売上高が伸びにくい状況となるが、逆にこれらのサービスを導入することで付加価値の高いサービスを提供できることになり、収益性は向上していくものと見られる。

2019年6月期第2四半期累計の営業利益率は2.0%と収益性の低い事業となっていたが、カスタマーサポート業界の平均収益率は10%前後となっていることから、将来的に10%前後の水準まで引き上げることは十分可能と見られる。

また、グループ全体で見ると利益率の高い「iシリーズ」の販売が拡大していくことからシナジー効果によって全体の収益性も向上していくものと予想される。

そのほかのトピックスとしては、東京オリンピックに向けた企業のインバウンド対策として、WebサイトのFAQページの翻訳サービスや外国人向けの多言語対応コールセンターサービス等の需要拡大が見込まれる。

多言語コールセンターで国内実績トップクラスのインバウンドテックと業務提携し、リソースを活用することで高品質なサービスを提供している。

訪日外国人は2018年に年間3千万人を超え、2020年には東京オリンピックに向け更なる訪日外国人数の拡大が見込まれているが、FAQページの外国語対応はまだ大手企業でも対応がなされていない企業が多いだけに、今後の売上拡大につながるサービスとして注目される。

(2) SFA事業SFA事業の売上高は前期比15〜20%の増収を見込んでいる。

「eセールスマネージャー」の販売好調が続いていることが要因だ。

ソフトブレーンの2019年12月期第2四半期の業績計画ではやや保守的な計画となっているため、同社の上期の利益水準から下期はやや下がる計画となっているものの、オンプレミス案件の納品タイミングによって短期的な収益が変動する可能性はあるものの、営業現場における生産性向上は企業の経営課題となっており、同領域のIT投資は今後も拡大が続くことから、中期的には年率2ケタペースでの増収増益が続くと予想される。

なお、ソフトブレーンの「eセールスマネージャー」については現在、顧客層を拡大するため、中小企業向けをターゲットとしたセルフサーブ型の「eセールスマネージャーRemix MS」を投入しているほか、業界特化型製品の開発を進めている。

収益への貢献はまだ先となるが、今後の成長につながる取り組みとして注目される。

(3) フィールドマーケティング事業フィールドマーケティング事業の売上高は前期比15〜20%程度の増収が見込まれる。

上期に引き続きスポット案件の受注が好調に推移していることが要因だ。

消費財メーカーでは人材不足もあって販促業務の外注化が進んでいる。

特に、地方都市などでの人材不足は深刻化しており、全国に約9万人のフィールドスタッフのネットワークを構築している同社にとっては、引き続き追い風になると見られる。

また、中期的な成長戦略として、BtoB向けフィールド業務の開拓を進めていくほか、消費者のレシート情報を収集して購買理由などの付加情報も付けてデータベース化し、企業に販売するPOB(Pont of Buy)事業を育成している。

現在、POS情報データが普及しているが、同データは購買理由や消費者の属性までは不明なため、こうした付加情報を付けることで契約を獲得していく。

まだ、データ数が少ないため会員を多く持つ企業との提携によってデータ収集数を業界トップクラスまで引き上げていく方針で、2〜3年後の収益化を目指している。

(4) カスタマーサポート事業カスタマーサポート事業については売上収益で26億円前後となる見通しだ。

2018年6月期は4ヶ月間で856百万円だった。

また、営業利益については60百万円程度を目指している。

前述したように、ITサービスを導入することで、入電件数を絞るため、売上高については伸び悩む可能性があるものの、収益性については2020年6月期以降上昇する見通しとなっている。

また、入電件数が減少してオペレーターの余力が生じた場合は、光通信グループ以外の顧客開拓を進めていくことも可能となる。

(5) その他その他、システム開発事業や出版事業についてはソフトブレーンの中でも積極的な事業拡大は考えていないため、前期並みの水準で見込んでいる。

一方、EC事業については対戦型トレーディングカードの販売が好調なことから、2019年6月期も2ケタ増収増益が見込まれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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