■業績動向1. 過去の業績推移(連結)これまでの業績を振り返ると、技術社員数の拡大とともに順調に伸びてきた。
特に、2014年12月期以降は、厳しい採用環境が続くなかで、毎年250名前後の新卒を採用するとともに、早期稼働を実現してきたことが業績の伸びをけん引している。
専門性の高い分野で毎年約250名規模の新卒や80名規模(2018年12月期実績)のグローバルエンジニアを採用するとともに、早期に育て上げ、高い稼働率を維持してきたのはアルプス技研 (T:4641)ならではの成長モデルと言えるだろう。
また、連結子会社であるアルプスビジネスサービスとの連携や海外事業の拡大、2016年9月に連結化したパナR&Dも連結業績の伸びに貢献している。
損益面でも売上高の拡大に伴って増益基調をたどり、営業利益率も改善してきたが、ここ数年は10%を超える高い水準で推移している。
また、財務面では、「現金及び預金」の増加などに伴って総資産が拡大し、自己資本比率は若干低下傾向にあるものの、60%以上の水準を確保している。
一方、資本効率性を示すROEも年々上昇しており、2018年12月期は20%を超える水準に到達していることから、同社の財務内容は極めて優れていると評価できる。
また、潤沢な手元流動性(現金及び預金)は不測の事態に対するバッファーになるとともに、成長に向けた戦略の幅を広げることから、今後の動向にも注意する必要がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)